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不登校のトンネルを抜けるための13のヒント 第7回

目次

私立中学での不登校(7)── 私立中学への復帰は、なぜ難しいのか

今日も私のブログにお越しいただき、ありがとうございます。

心から感謝申し上げます。


先日から、せっかく合格された私立中学校に通えなくなってしまったお子さまのことについて、続けて考えてまいりました。

ご家族にとっても、お子さまご自身にとっても、特別な思いを抱いて入学された学校だと思います。

だからこそ、「どうしても、もう一度通わせてあげたい」「何とか復帰させたい」と、切実な思いでご相談くださるお母さまが本当に多くいらっしゃいます。

特に、難関校・最難関校に合格されたご家庭ほど、その思いは一層強くなられます。

朝、制服を前にして体が動かないお子さまの姿を毎日見守ることは、お母さまにとって身を切られるようにお辛い経験だと思います。

そして、言葉には出さなくても、実は誰よりもお子さまご自身が「行かなければならない」と焦り、行けない自分を責め、苦しんでいらっしゃるのです。


これまで私の相談にお越しいただいたご家族の多くも、最初は「何とか復帰させたい」とおっしゃいました。

そのお気持ちは痛いほどよく分かります。


ただ、私は最初に、必ずこうお伝えしています。

「私立中学への復帰は、ものすごく高い壁です。正直なところ、復帰そのものをいったん横に置いて、他の選択肢も視野に入れることをお勧めします」と。

冷たく聞こえるかもしれません。

それでも、最初にお伝えしないわけにはいかないのです。

それくらい、私立中学への復帰は現実として厳しいものだからです。

1. 公立中学への復帰以上に高い「学習スピード」の壁

公立中学校で不登校になったお子さまが学校に復帰することさえ、決して簡単なことではありません。

そこに加えて、私立中学校では猛烈なスピードで学習が進んでいます。

しかも、周囲の大半の生徒がそのスピードについていけている環境です。

遅れを抱えたままそこへ戻るということは、単に「学校に通う」だけでなく、「自力でその猛烈な遅れを取り戻す」ことも求められます。

これは並大抵の努力では追いつけません。

2. 公立と私立でこれほど違う「学校側の配慮」の現実

最近の公立中学校では、お子さまの状況に合わせて細やかな配慮をしてくださるケースが増えています。

別室登校での出席認定、オンライン授業の許可、スクールカウンセラーを交えた連携、教育支援センター(適応指導教室)との協力など、柔軟な対応が可能です。

一方で、私立中学校では、こうした細やかな配慮は原則として期待できません。

(関西の最難関中学の中に、例外的に公立並みの手厚い対応をしてくれる学校が1校だけございますが、それは極めて稀なケースです)

これは、私立中学校が冷たいからではありません。

そもそも「配慮をする必要がない」というのが、学校側の立場だからです。

3. 「高い授業料を払っているのに」という誤解

「高い授業料を納めているのだから、もっと配慮してくれてもいいのではないか」と思われるお母さまのお気持ちもよく分かります。

しかし、ここには重要な前提があります。

中学校は義務教育期間です。

本来なら地域の公立中学校に通うことができるにもかかわらず、ご家庭とお子さまの意思で私立中学を受験し、合格し、「通います」と意思表示をされたわけです。

入学時に「誓約書」の提出を求める学校もありますが、それがない学校であっても、「自ら望んで入学した以上、通うことが大前提」というのが私立側のスタンスです。

したがって、学校側の特別なサポートに頼るのではなく、学習の遅れを自力で取り戻しながら復帰する「自力復活」以外に道はないと考えるのが現実的なのです。

4. それでも復帰できたご家庭に共通する「ひとつの鍵」

この高いハードルを越えて、実際に私立中学へ復帰できたお子さまもいらっしゃいます。

そのご家庭には、ある共通点がありました。

それは、お母さまが「学校に戻ってほしい」という願いを、いったん横に置かれた時期があった、ということです。

復帰を強く願っているからこそ、その願いをあえて手放す。

不思議に思われるかもしれませんが、これが極めて重要なのです。

お母さまは「学校に行きなさい」と言うのをやめ、お子さまの表情やため息、何気ない一言に、静かに耳を澄まされました。

お子さまが「もう無理」と口にするとき、その短い言葉の奥には、必ず別の本音が隠れています。

「自分の苦しさを分かってほしい」
「責めないでほしい」
「ここにいてもいいと認めてほしい」

という魂の叫びです。

この声に気づき、丸ごと受け止めてくれるお母さまの存在があって初めて、お子さまの心の中に「もう一度立ち上がる力」が少しずつ育まれていくのです。

どうか一人で悩まないでください

私立中学への復帰ロードは本当に険しいものです。

ご家族だけで抱え込まれると、お母さまが先に心身ともに倒れてしまい、お子さまを支える柱が失われてしまいます。

復帰を目指すのか、それともお子さまの心が守られる「別の道」を探すのか。

そのご判断も含めて、まずは専門家にご相談いただくことを心からお勧めします。

次回は、復帰できたお子さまたちに共通する「具体的な条件」や「学習の遅れへの具体的な対応策」について、さらに詳しくお伝えしてまいります。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

どうぞ今日も良い一日でありますようにお祈りしております。

次回:第8話──復帰できる子どもに共通する4つの条件

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この記事は、中学受験と不登校(663)を加筆・修正したものです。

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