私立中学での不登校(1)──「何か違う」と言葉にできない子どもの違和感
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学校に行けなくなる状態は、公立・私立・国立を問わず、どの学校でも起こり得ます。
ただ国立・私立中学の場合、内部進学のお子さんもいらっしゃいますが、その多くは中学受験という厳しい道のりを経て合格された子ども達です。そのため、地元の公立中学校で不登校になる場合とは、少し事情が異なる部分があります。
このシリーズでは、その「少し違う事情」について、何回かに分けて考えてまいります。なお、国立中学は私立中学と似た面と異なる面の両方を持ちますので、当面は私立中学に焦点を絞ってお話しいたします。
お母様方が最初に挙げられる違いは「入試」
これまで、お子さんが私立中学で不登校になられ、ご相談に来られたお母様方に「公立との違いは何だと思われますか」と伺ってまいりました。
ほぼ全員の方が「入試があること」とお答えになります。
確かに入試の有無は大きな違いです。けれども不登校の問題を考えるうえで、私はもっと本質的に目を向けるべきことがあると感じております。
本当に大切なのは「教育方針」と「学校システム」
私立中学には、明確な教育方針・教育理念があります。
その方針のもとに独自の学校システムやカリキュラムが組まれ、授業が設計され、その理念に合う人物を選ぶために入試が行われている──私はそう考えております。
ですから、本来は次のことを、受験前にしっかり理解しておくことが理想です。
- 学校の教育方針・教育理念
- 学校の伝統や規律
- 学校独自のシステム
- 日々の授業のかたち
しかし子ども達の多くは、公立小学校までの「ふわっとした」感覚のまま、私立中学を捉えています。
オープンキャンパスや文化祭、塾の先生の説明をどれだけ聞いても、その学校の本当の空気感や厳しさは、実際に通い始めて初めて肌で感じるものです。
「なんか違う」と感じたとき、何が起こるか
通い始めると、必ずと言っていいほど「なんか違う」「思っていたのと違う」というミスマッチが生まれます。
このとき、子ども達は大きく2つのタイプに分れます。
①違いをはっきり言葉にできる子
その環境を受け入れる努力をするか、「学校を変わる」という明確な選択ができます。違いをうまく消化できる子です。
②「何となく違う」と感じているが、うまく言葉にできない子
ここが最も難しいところです。
後者の子ども達は、違和感を自分の中で消化できないまま登校を続けます。通うたびに、言葉にならない「気持ち悪さ」や「しんどさ」を抱え込み、だんだんと学校に行くこと自体が嫌になっていきます。
そして、ある時点で足が止まってしまうのです。
「合格してから順応する」という構造の落とし穴
私立中学の進学では、学校がどういうところかを十分に理解しないまま合格し、入学後に順順応することが強く求められます。
この段階に至って、ようやく「自分にこの学校が合っているのかどうか」を真剣に考えなくてはならなくなる──これが現実です。
「公立中学も小学校とは違うのでは?」というご意見について
このお話をすると、「公立中学校も公立小学校とは全く違いますよ」とおっしゃる方がいらっしゃいます。
もちろん、違いはあります。
けれども公立中学校は、
- 地元の学校であり
- 同じ小学校から進む同級生がいる
- 校長によって方針の違いはあっても、私立ほど強烈で独自のカラーは打ち出されない
という特徴があります。私立中学に進むこととは、明らかな違いがあるのです。
「あわないことがある」という大前提
私立中学に通うということは、「学校のシステムと決定的にあわないことがある」というリスクを大前提に持っておく必要があります。
しかし、そこまでお考えになっているご家族は、ほとんどいらっしゃらないように思います。
かすかに頭をよぎったとしても、「まあ、入ってしまえば何とかなるだろう」で通り過ぎてしまうのが実情ではないでしょうか。
ところが、いざ決定的に「あわなかった」とき、子ども達は公立中学校で不登校になる場合とは全く別の、私立特有のしんどさを抱えていくことになります。
次回は、この「別のしんどさ」の正体と、私立中学で不登校になった際に立ちはだかる具体的な問題について考えてまいります。
今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
どうぞ、今日も良い1日をお過ごしください。
次回:第2話「合格後に待ち受ける、終わらない競争」──学校システムから見た私立中学の構造
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