中学受験の生活面・メンタル面を考える(29)
今日も私のブログにお越しいただき、ありがとうございます。
感謝申し上げます。
いつも温かいメッセージをいただき、本当にありがとうございます。
心から感謝しております。
今回は全30回の連載の第29回目となります。これまでのお話を振り返りながら、ぜひゆっくりとお読みいただきたいのです。
本日のテーマは、「合格しても傷が残る受験、合格しなくても守れた受験の違い」です。
夜遅くまでダイニングテーブルに座り、山積みにされた塾のプリントを整理しながら、ふと大きなため息をついてしまうことはありませんか。
明日の朝もお弁当作りのために早く起きなければならないのに、頭の中はお子さんの成績のことでいっぱいで、なかなか眠りにつけないというお母さんがたくさんいらっしゃいます。
大手進学塾に通わせてはいるものの、お子さんの偏差値は50前後を行き来しているというご家庭はとても多いのです。
宿題の量は膨大なのに、机に向かうお子さんの背中からはやる気が感じられない。
そんな日々に、どうしていいかわからなくなってしまうのですね。
「少しでも上の学校へご縁をいただきたい」と強く願うお母さんのお気持ちは、もちろん親として当然の愛情なのです。
ただ、その強い願いがいつの間にか焦りに変わり、空回りしてモヤモヤしてしまうことは、決して珍しいことではありません。
お母さんは毎日必死にお子さんを支えています。だからこそ、ご自身の心がすり減ってしまうのです。
私が長年、不登校のお子さんたちを見守ってきて確信していることがあります。
それは、中学受験の本当の成功とは、合格発表の日の笑顔ではないということです。
入学してから半年、あるいは一年が経ったときに、お子さんが心から笑って学校に通えているかどうかが、本当の答えなのです。
ここで、二つの異なる道筋についてお話ししたいと思います。
まずは、傷が残る受験になってしまったケースです。
そのお子さんは、お母さんの徹底した管理と追い込みによって、見事第一志望校に合格を果たしました。
お母さんはご自身の睡眠時間を削って伴走しました。
そして塾の指示通りに、膨大な宿題を一つも残さずやらせ切ったのです。
合格発表の掲示板の前で、親子で抱き合って涙を流して喜んだ姿は、本当に美しいものでした。
ただ、入学してからわずか一ヶ月で、お子さんは「学校に行きたくない」と言い始めました。
そして半年後には完全に通えなくなってしまったのです。
無理をして、無理をして、心を削りながら手にした合格でした。
合格というゴールテープを切った瞬間に、心の中にぽっかりと穴が空いてしまったのですね。
「合格」という目標がなくなった瞬間に、何のために頑張ってきたのかがわからなくなり、燃え尽きて(燃え尽き症候群)しまうお子さんは決して少なくありません。
一方で、守れた受験のケースもあります。
6年生の直前期になり、お子さんの睡眠が浅くなり、朝起きられなくなってしまいました。
お母さんは大変悩まれました。
しかし、勇気を持って受験する学校を二校減らす決断をされたのです。
さらに、最後の一ヶ月は塾の宿題を半分に絞りました。
結果として第一志望には届きませんでした。
しかし、進学した中学校で、お子さんはすぐに笑顔を取り戻しました。
中学生になってからは自ら進んで机に向かうようになり、二年生の終わりには学年で上位の成績を収めるまでになったのです。
「自分のペースで頑張れば、ちゃんと結果が出る」という成功体験を、お子さん自身がつかみ取ったのです。
これは、無理に合格を勝ち取ったお子さんが得られなかった、人生の大きな財産になります。
合否という結果だけを見れば、前者が成功で後者が失敗と思われるかもしれません。
しかし、その後の長い人生まで含めて考えたときに、本当に守られたのはどちらの受験だったのでしょうか。
つまり、合否の通知よりも、そこに至るまでの「過程の質」が、お子さんの心を形作っているのです。
最優先すべきは偏差値や合格実績ではありません。お子さんの心と体を壊さないことなのです。
ここで多くのお母さんが立ち止まってしまいます。
「ここで休ませたら、逃げ癖がついてしまうのではないか」 「宿題を減らしたら、もう元のペースには戻れないのではないか」 そのようにご不安になられるのは、もちろん仕方がありません。
しかし、お伝えしたいことがあります。「厳しさ」と「無理」はまったく別物だということです。
お子さんを休ませたり、課題を減らしたりする決断は、決して甘やかしではありません。
それは、過酷な受験というマラソンを完走するための、戦略的なペース配分なのです。
マラソンの途中で給水を取ることを、甘えだと責める人は誰もいません。
それと全く同じことなのです。
そして、その給水のタイミングを見極められるのは、塾の先生でも家庭教師でもありません。
毎日お子さんの顔色を一番近くで見ているお母さんだけなのです。
お子さんが机の前で、消しゴムで何度も乱暴に文字を消して、ノートが真っ黒になっていることはありませんか。
その姿を見ると、「どうしてやらないの」「もっと丁寧に書きなさい」と注意したくなるものです。
それはお母さんが真剣だからこそなのです。
ここで、少しだけ視点を変えていただきたいのです。
お子さんのその態度の向こう側に、どんな想いが隠れているのかを感じ取ってみていただきたいのです。
「やりたくない」と反抗しているように見えるかもしれません。
しかし、本当は「お母さんの期待に応えたいのに、もう頭が働かない」と泣いているのかもしれません。
「こんなにできない自分は、ダメな子なんだ」と、自分自身を責めているのかもしれません。
表面的な言葉や行動だけを見るのではありません。
その奥にある言葉にならない心の声に耳を澄ませていただきたいのです。
無言の背中が発している見えない震えに気づいてあげることが、お子さんを深い傷から守る唯一の方法なのです。
このような決断を迫られたとき、多くのお母さんがご自身を責めてしまいます。
「私のサポートが足りなかったから、子どもが限界を迎えてしまったのではないか」と思い悩むお母さんは、本当に多いのです。
しかし、お子さんが立ち止まってしまうのは、必ずしもお母さんお一人の関わり方の問題ではありません。
大手進学塾の早い進度、膨大な宿題の量、終わりのない競争構造、そしてお子さん自身の発達のペース。
これらがうまく噛み合わなかった「相性とシステムの問題」であることが、ほとんどなのです。
どうか、ご自身を責めないでください。
お子さんが壊れるまで頑張らせてしまったのではありません。
壊れてしまう前に、お母さんが気づけたのです。
その異変に気づけたこと自体が、すでにお母さんの中でお子さんを守る力がしっかりと働いている証拠なのです。
まずは、ご自身に「ここまでよく見ていたね」と、優しい言葉をかけてあげていただきたいのです。
ご家庭の中でよくご相談を受けるのが、お父さんとの温度差です。
現場で毎日お子さんを見て疲弊しているお母さんに対して、結果の数字だけを見て「もっとやらせろ」と言うお父さんは少なくありません。
お父さんもお母さんも、お子さんの将来を心配しているからこそなのです。
しかし、現場の過酷さを知らないため、このようなすれ違いが起きてしまうのは仕方がありません。
お父さんには「追い込み役」から降りていただきます。
そして「お母さんの不安を受け止める役」、あるいは「塾との冷静な交渉役」へと役割を変えていただきたいのです。
ご家庭内の役割を少し見直すだけで、家の空気が見違えるように温かくなります。
そして、家の空気が変わると、不思議なことにお子さんの机に向かう姿勢までも変わってくるのです。
塾の先生に「宿題を減らしたい」と伝えるのは、とても勇気がいることです。
「今やめたら今までの努力が水の泡です」と引き止められることもあります。
それは塾が「合格」を最大の目標としているシステムだからなのです。
しかし、ご家庭が持つべき評価軸は「合格」ではありません。
何度もお伝えしてきていますが、「入学後も笑顔で通い続けられること」なのです。
この二つの軸は、必ずしも一致しないことがあります。
ということは、塾の評価軸に引きずられる必要はないのです。
塾と交渉する際は、「まずは二週間、宿題の量を三割減らして様子を見させてください」と、具体的な期間と数字で伝えることをおすすめします。
そうすることで塾側も納得しやすくなります。
期限を区切ってお伝えすれば、塾の先生も「お試し期間」として受け入れやすくなりますし、二週間後にお子さんの表情が明るくなっていれば、自然と次のステップの交渉もしやすくなります。
今夜、一つだけ試していただきたいことがあります。
夕食のとき、勉強やテストの話を完全に封印していただきたいのです。
お子さんが好きなゲームの話でも、テレビの話題でも構いません。
ただくだらない雑談をして、一緒に笑い合ってみてください。
お母さんが「勉強を監視する人」ではなく、「どんな時でも自分の味方でいてくれる人」であることを伝える、大切な時間になります。
そのリラックスした時間の中で、お子さんがふと漏らす一言に、どうか心を寄せてみてください。
その小さな言葉の中に、お子さんが本当に伝えたかった想いが隠れているはずなのです。
お母さんご自身の睡眠不足が続いているとき、ご夫婦での意見の対立が絶えないとき、お子さんの無気力な状態が二週間以上続いているとき。
これらはすべて、ご家庭の中だけで解決しようとするには限界が来ているサインなのです。
塾との交渉も、ご家庭内の役割の再設計も、当事者だけで進めようとすると、どうしても感情がぶつかり合ってしまいます。
お母さんはどうか一人で悩まないでください。
第三者の専門家が入ることで、絡まっていた糸が解けるように、すっと解決の糸口が見えてくることがよくあります。
私はこれまで41年にわたり、のべ8,000人以上のお子さんとご家族に向き合ってまいりました。
その中で見てきたのは、「もう少し早く相談していれば」というお母さんの後悔の涙です。 どうか、限界を迎えてしまう前に、私を頼ってください。
生活面やメンタル面でお悩みの方は、ぜひ個別にご相談ください。
また、どうしても今の塾のペースがお子さんに合わず苦しんでおられる場合は、学習環境を見直すことも一つの選択肢です。
私が講師を務める難関中学受験対策専門塾「クリエートベース」では、宿題がありません。
宿題をただ削るのではなく、クリエートベースの代表が「本質的な理解に必要な問題」を1問1問厳選することで、お子さんの心と生活を守りながら、難関校合格という結果を出すための科学的サポートを行っております。
手遅れになってしまう前に、一緒にお子さんの心を守るための具体的な道筋を整理させていただきます。 一人で悩まないでください。私がしっかりと受け止めます。
(※あわせて読んでいただきたい記事: 「塾が合わないのか、受験そのものが苦しいのか、それを見分けるための整理法」 https://x.gd/P1EfC )
***
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
「うちの子もそうかもしれない」「でも、誰に相談したらいいかわからない」――そう感じていらっしゃるお母さんへ。
この6月、個別相談を無料でお受けしています。
お子さんの偏差値が伸び悩んでいる、宿題がこなせない、やる気が見えない。
そんな日々の中で、お母さんお一人で悩んで抱え込んでいらっしゃることがあれば、まずはお話を聞かせてください。
解決策をすぐにお出しできるかどうかよりも、お母さんの今のお気持ちを整理する時間として、ご活用いただければと思います。
▶ 個別相談のご案内はこちら
https://ktani.info/consultation/
***
最後までお読みいただきありがとうございました。
どうぞ今日も良い一日でありますようにお祈りしております。
ー中学受験と不登校(1037)ー
#中学受験メンタル #受験うつ #子どものSOS #安全基地の作り方 #過度なプレッシャー #偏差値50の壁 #不登校予防 #親子の笑顔 #クリエートベース #中学受験の悩み #燃え尽き症候群 #親子の信頼関係
