「朝起きられない」は怠けではありません
不登校の子に起きている身体のサインと親の最初の1歩
今日も私のブログにお越しいただき、ありがとうございます。
感謝申し上げます。
前日の夜は明日は行くと言っていたのに、朝になると布団から全く出ようとしない。
そんな子どもの姿を見て、胸が締め付けられるような思いをしているお母さんは本当に多いと思います。
何度も声をかけても起きず、時間が過ぎていく焦りの中で、つい強い口調で起こしてしまった経験があるかもしれません。
そして、学校に行く時間が過ぎてから起きてきた子どもを見て、私の育て方が甘かったからだ、と自分を責めてしまうこともあると思います。
もちろん、お母さんが不安になるのは当然のことです。
ただ、ここで知っておいていただきたいことがあります。
朝起きられないのは、決して子どもの怠けや甘えではないのです。
それは、限界を迎えた身体が発している切実なサインなのです。
今日は、不登校の子どもに起きている身体の変化と、お母さんが踏み出せる最初の一歩についてお話しいたします。
なぜ朝起きられない状態になってしまうのか
子どもが朝起きられない原因は、意志の弱さではありません。
自律神経の切り替えがうまく機能しなくなっている状態なのです。
人間の身体は、日中に活動するための交感神経と、夜にリラックスして休むための副交感神経がバランスよく働いています。
しかし、学校でのストレスや人間関係の悩みなど、過度な緊張状態が長く続くと、この自律神経のバランスが崩れてしまうのです。
その結果、朝になっても活動のための交感神経に切り替わらず、身体が鉛のように重くて動かせない状態に陥ります。
例えるなら、心と体のエネルギータンクが完全に空っぽになり、強制的にブレーカーが落ちている状態だと言えます。
本人も、頭の中では学校に行かなくてはならないと痛いほど分かっているのです。
それなのに身体が動かないという現実に、一番戸惑い、自分自身を責めているのは子ども自身なのです。
その苦しい現実に寄り添い、行動の裏側にある本当の気持ちを汲み取ってあげることが、回復への第一歩になります。
身体のサインとして知られる起立性調節障害とは
自律神経の乱れからくる身体の不調として、起立性調節障害という状態があります。
日本小児心身医学会などの一般的な報告によりますと、不登校の子どもの3割から4割程度がこの状態を併発していると言われています。
朝起き上がることができない、立ちくらみやめまいがする、午前中は頭痛や倦怠感がひどく、午後や夜になると元気になってくるという特徴があります。
夜になると元気になってゲームなどを始める姿を見ると、親としては、ただの怠けではないかと感じてしまうのは無理もないことだと思います。
ですが、これは午後になってようやく交感神経が働き始めるという身体のメカニズムによるものなのです。
ということは、本人の気合でどうにかなる問題ではないということがお分かりいただけると思います。
本記事の内容は一般的な傾向であり、個別診断に代わるものではありません。
気になる症状が続く場合は、自己判断せずに医療機関に相談することが大切です。
心の声を抑え込むほど身体が代わりに悲鳴を上げます
真面目で優しい子どもほど、親や先生の期待に応えようと頑張りすぎてしまう傾向があります。
もう学校に行きたくない、休みたいという本当の気持ちを口に出すことができず、自分の心の中に押し込めてしまうのです。
心が休みたいと言えない代わりに、身体が朝起きられない、頭痛がする、腹痛がするという形で代わりにSOSを出しているのです。
子どもが発する身体の症状や行動には、言葉にならない深い思いが隠されています。
目に見える症状だけを何とかしようとするのではなく、その背景にある心の痛みを理解しようとする姿勢が、子どもに安心感を与えます。
子どもは、お母さんが自分の苦しみを分かってくれたという感じを持てたとき、初めて心のエネルギータンクにエネルギーを貯め始めることができるのです。
朝のバトルを終わらせる最初のアクションとNG対応
毎朝の起きる、起きないという攻防は、お母さんにとっても子どもにとっても、莫大なエネルギーを消耗してしまいます。
前日の夜に明日は行けるかと確認したり、朝になって何度も急かしたり、無理やり布団を剥ぎ取ったりすることは、残念ながら逆効果になります。
子どもはますますプレッシャーを感じ、身体を硬直させてしまうからです。
まずは、今週できる小さな一歩として、次のうちどれか一つだけを選んで試していただきたいのです。
1.3日間だけ、子どもの起床時間と体調の訴えをメモする観察コースです。
これは後日、専門機関に相談する際の客観的な記録にもなります。
2.朝の起きなさいという声かけを1回だけにする、あるいは思い切ってゼロにするという声かけ変更コースです。
3.就寝の1時間前から部屋の照明を少し暗くして、身体が休まる環境を整える夜の環境コースです。
どれか一つでも実践することで、朝の重苦しい空気が少しずつ変わり始めます。
回復は一直線ではありません
子どもが少し元気を取り戻し、午後から起きられるようになったりすると、お母さんはつい期待してしまうと思います。
このまま学校に行けるようになるかもしれない、と考えるのは親として当然の感情です。
ただ、回復プロセスは、必ずしも右肩上がりの一直線ではありません。
三歩進んで二歩下がるような、波を繰り返しながら少しずつ進んでいくものなのです。
夏休みの間に生活リズムが整ってきたように見えても、新学期が近づくとまた起きられなくなることはよくあります。
それは後退したわけではなく、順調な回復プロセスの一部なのだと捉えていただければと思います。
昼夜逆転も、傷ついた心を癒やすために必要なエネルギー充電期間である場合が多いのです。
ある程度は仕方がないと割り切り、焦る気持ちをぐっとこらえて、安心できる環境を守り続けることが、結果的に回復への近道になります。
家族との温度差をどう埋めるか
お母さんが子どもの状態を理解し、見守ろうと決意しても、家族の理解が得られないことで新たな悩みが生まれることがあります。
お父さんやおじいちゃん、おばあちゃんから、無理にでも学校に行かせろ、甘やかすから起きないんだ、と責められてしまうケースです。
一人で家族を説得しようとすると、お母さんがさらに追い詰められてしまいます。
そのような時は、お母さんの意見として伝えるのではなく、第三者の客観的な情報として伝える方法が効果的です。
医師の診断結果や、専門家が書いた本、起立性調節障害に関するパンフレットなどを共通言語として活用するのです。
これは甘えではなく、自律神経の乱れという身体の不調なのだと、医学的、客観的な切り口で伝えることで、家族の理解を少しずつ得られるようになります。
一人で抱えないために頼れる4つの窓口
子どもの問題をご家庭だけで、特にお母さん一人で抱え込むのは、あまりにも重すぎます。
どうか一人で悩まないでください。
必要に応じて、外部の専門機関を頼ることが大切なのです。
(1)小児科や思春期外来、心療内科などの医療機関です。
めまいや頭痛などの身体症状が強い場合は、医療の力を借りることで本人が楽になることがあります。
(2)学校内の養護教諭やスクールカウンセラーです。
担任の先生には話しにくいことでも、保健室の先生になら相談しやすいという子どもも多いのです。
(3)地域の教育支援センターや子ども家庭支援センターなどの公的な窓口です。
(4)民間の専門家や親の会などの民間の支援機関です。
話しやすい場所からで構いませんので、複数の窓口を組み合わせて、お母さん自身の心の負担を軽くしていきましょう。
お母さんが元気でいることが、子どもの回復にとって何よりの薬になるからです。
毎日、子どもの将来を案じ、どうすればよいのかと悩み続けるお母さんの愛情は、本当に深いものだと思います。
今は真っ暗なトンネルの中にいるように感じるかもしれませんが、必ず光が見える日はやってきます。
まずは、今週の小さな一歩から始めていただきたいのです。
もし、誰かに話を聞いてほしい、どう接していいか分からないとお悩みの方は個別にご相談いただければと思います。
状況を整理し、次の一歩を一緒に見つけていくことができます。
あわせて読んでおきたい記事: 【不登校の欠席連絡がつらい 学校との関係で親が消耗しないために】
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最後までお読みいただきありがとうございました。
どうぞ今日も良い一日でありますようにお祈りしております。
