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不登校の子どもとの関係を立て直す 安心と主体性を支える4つのヒント

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不登校の子どもとの関係を立て直す 安心と主体性を支える4つのヒント

今日も私のブログにお越しいただき、ありがとうございます。

心より感謝申し上げます。

「このまま、うちの子の未来は閉ざされてしまうのではないか」。

夜、静まり返った部屋で一人そう思っては、眠れない夜を過ごしているお母さんがいらっしゃると思います。

朝になれば登校の時間が近づきます。

声をかけた方がよいのか、そっとしておいた方がよいのか。

何も言わずにいると見放しているように受け取られないかと心配になり、学校からの連絡には返事をしなければならず、仕事や家事、きょうだいのことも気になる。

どちらを選んでも正解が分からない中で、心がすり減っていくのは、仕方がないことだと思います。


子どもを大切に思っているからこそ、何もしないでいることが怖くなります。

先のことを考えれば考えるほど、「このままでよいはずがない」と感じてしまうのも、当然のことだと思います。


今回の連載は「不登校から、もう一度前を向くための13のヒント」を3回に分けてお届けしています。

第1回では心と身体の安全を守る5つの視点をお伝えしました。

今回の第2回は、家庭の中に安心を取り戻し、本人の小さな主体性を支えるための4つのヒントです。

今回は、次の四つを取り上げます。

  • できていないことより、今保たれている力を見る
  • 評価しない会話を増やす
  • 小さな選択を本人に返す
  • 保護者や家族も一人で悩んで抱え込まない


これは第1回の項目をすべて実践した後に進む段階、という位置づけではありません。

ご家庭の状況に合わせて、必要な項目から選び、行き来しながら読んでいただければと思います。

なお、本文の記述は複数の相談経験を参考に一般化・再構成したものであり、特定の方の経過やすべての不登校の子どもに共通する過程を示すものではないことを、あらかじめお伝えしておきます。


⑥できていないことより、今保たれている力を見る

学校へ行けなくなると、どうしても「できていないこと」ばかりが目に入ります。

起きられない時間、手をつけられていない勉強、返せていない友だちからの連絡。

以前はできていたことができなくなると、「このまま生活まで崩れてしまうのではないか」と不安になるのは、本当に自然なことです。

ただ、その子の一日を少し丁寧に見てみると、今も保たれている力が見つかることがあります。

昼頃には起きてきて何か口にしていること。飼っている動物の世話は続けていること。

好きな動画を見て笑う時間があること。

夕食のときには家族と同じ場所に座っていること。


あるご家庭では、お母さんが「今日は何もできなかった」と感じていた一日の中に、実は子どもが自分でカーテンを開け、犬にご飯をあげていたという場面がありました。

子ども自身はそれを当たり前のこととしか思っておらず、誰にも気づかれていないという感じでした。


「顔を見られてよかったです」「自分で起きてきたのですね」。

そうした言葉は、何かを頑張らせるためのものではありません。

「今のあなたにも力があると、私は知っている」というメッセージを、静かに手渡すことにつながります。子ども自身も、できていないことは十分に分かっている場合があります。

だからこそ、本人なりに一日をやり過ごしている姿を家族が見失わないことには、大きな意味があると思います。


⑦評価しない会話を増やす

家庭内の会話が、いつの間にか「確認」に偏ってしまうことがあります。

「勉強した?」「今日は何時に起きたの?」「明日は行けそう?」。

もちろん、生活を心配する気持ちからの問いかけであることは間違いありません。

ただ、子どもの側からすると、会話のたびに採点されているような感覚を抱いてしまうことがあります。


評価しない会話とは、結果や進捗を尋ねない会話のことです。

夕食のときに「この料理、少し味が濃かったですね」と話す。

窓の外を見て「今日は風が強いですね」と言う。

子どもが見ているゲームや動画について「どういうところが面白いの」と聞いてみる。

ということは、こうした何気ない会話こそが、子どもにとって「評価されずに存在していい場所」を実感できる時間になっているのだと考えられます。

子どもが「別に」と答えても、会話が失敗したわけではありません。

返事がなくても同じ部屋に居続け、翌日になって昨日の話題をふいに口にすることもあります。


「学校なんて行きたくない」「もう無理」「大丈夫だから」。

こうした言葉の奥には、疲れ切っている気持ちや、失敗することへの怖さ、心配をかけたくない思いが隠れていることがあります。

「そう思うほど、今はしんどいのですね」
「大丈夫と言ってくれてありがとう。もし苦しくなったら、言葉にならなくても知らせてくださいね」。

すぐに答えを求めずに受け止めてもらえた経験が、次に何かを話せる土台になることがあります。

ある母親は、子どもが好きなゲームの話をし始めたとき、内心では勉強の話に切り替えたいと思いながらも、まずは黙って最後まで聞くことを心がけたそうです。

すると数週間の間に、子どもの方から学校のことを少しずつ口にするようになったといいます。


⑧小さな選択を本人に返す

不登校の期間が長くなるほど、家庭の中では保護者が先回りして決める場面が増えていきます。

学校への連絡、受診するかどうか、勉強の進め方。

すべてを整えてあげたい気持ちは、子どもを大切に思うからこそのものです。

ただ、その優しさが積み重なると、子ども自身が「自分で決めても仕方がない」と感じてしまうことがあります。


小さな選択を本人に返すというのは、大きな進路の決断を急がせることではありません。

「今日のおやつはどちらにするか」
「朝は起こしてほしいか、それとも自分で起きてみたいか」
「学校からの連絡は全部聞きたいか、必要なことだけ聞きたいか」

といった、日常のささやかな選択を本人に委ねてみることです。

選択肢は二つか三つで十分です。「どうしたい?」と広く尋ねられると、それ自体が負担になる子どももいます。


また、本人が選んだことがうまく続かなくても、それを失敗にしないことが大切です。

「昨日はそうしたかったのですね。今日はどうしておこうか」というように、選び直せる余地を残すことが、本人の力を取り戻すことにつながります。

あるご家庭では、母親が「今日の夕食どうする?」と聞いたことに対し、子どもが久しぶりに自分の意見を口にした出来事がありました。

それだけで進路が決まるわけではありませんが、「自分の選択が家庭の中で受け止められた」という感覚は、本人が再び動き出すための土台になっていきます。

主体性とは、急に将来のことを決められるようになることではなく、今日の飲み物を選ぶことや、自分の気持ちを少し言葉にすることも、その子自身の大切な選択なのだと思います。

⑨保護者や家族も一人で悩んで抱え込まない

ここまでの3つのヒントは、家庭の中でできる関わり方についてのものです。

しかし、それを実践し続けるお母さん自身の心の状態を、置き去りにしてはならないと思います。

「私が弱音を吐いてはいけない」
「もっとよい関わり方ができたのではないか」

そう自分を励まし続けているうちに、いつの間にか誰にも相談できないまま日々を過ごしてしまう。

そうした状態を、これまで多くのご家庭で見てまいりました。

保護者が迷うのは、関わりが足りないからではありません。

大切な子どもの苦しさを前にして、簡単には答えが見つからないからです。

ご家族の中でも、「少し休ませた方がよい」と思う人もいれば、「生活リズムだけは戻したい」と思う人もいるでしょう。

どちらかが間違っているとは必ずしも言えません。

子どもを大切に思う気持ちは同じでも、心配の表れ方が違うのだと思います。


この状態は関わりだけで起きるものではありません。ご家族だけで悩んで抱え込まず、必要に応じて学校や専門家などの支援を求めてください。

学校のスクールカウンセラー、地域の相談窓口、教育相談の専門家など、支えてくれる存在は複数あります。

誰かに現状を話すことは弱さの表れではなく、家庭を持続可能な状態に保つための大切な選択だと思います。

今の状態を落ち着いて見直すための視点

以下は、点数をつけて評価するためのものではなく、今の関わりを振り返るための視点です。

・子どものできていないことより、今できていることに目を向ける時間が一日の中にあるか
・確認や評価を含まない会話が、一日の中に一つでもあるか
・子ども自身が決められる小さな選択が、日常の中に残されているか
・保護者自身が、誰かに今の状況を話せる相手や場所を持っているか

一つでも当てはまらない項目があっても、それは失敗ではありません。

今日から少しずつ整えていけば十分だと、本当に思います。


中学受験との関わりについて

ご相談の中には、中学受験を経て進学した後に不調が表面化したケースもあります。

ただ、時間的な前後関係だけで「受験が原因だった」と判断することはできません。

新しい学校環境での人間関係、通学にかかる身体的な負担、周囲の学習の速さ、「せっかく合格したのだから」という本人なりの思い、そして生来の気質。

こうした複数の要因が重なり合い、本人にも説明しにくい苦しさとなって表れることがあります。


私たちが考えるべきなのは、過去の選択を悔やむことではなく、今この瞬間にその子が抱えている負担を一つひとつ丁寧に見ていくことだと思います。

もし、子どもに自傷したい気持ちや希死念慮が見られる場合、強い身体症状が続く場合、食事や睡眠が大きく崩れている場合には、教育相談だけで抱えず、医療機関や公的な相談窓口につながることが必要になる場合があります。

前回、お伝えした安全に関する視点も、あわせてご確認ください。

おわりに

今回は、安心できる関係と本人の小さな主体性を支える4つのヒントをお伝えしました。

できていることに目を向けること、評価しない会話を持つこと、小さな選択を返すこと、そして保護者自身も一人で悩んで抱え込まないこと。

どれも一朝一夕に効果が現れるものではありませんが、家庭の中に少しずつ積み重なっていくものだと感じています。


子どもが発する言葉や、部屋から出てこないという行動の向こう側には、「助けてほしい」「分かってほしい」という想いが隠れていることがあります。

焦りながらも、今日のその子を見失わないこと。話せない日があっても、同じ場所に居続けること。

その想いにそっと耳を傾けることが、確かな一歩になるのだと思います。


家庭での関わり方や進路について整理したい方は、教育相談や不登校相談などの個人相談をご利用いただけます。

ご相談はこちらからお願いいたします。
https://ktani.info/consultation

次回は、学びや社会とのつながりを組み直すための4つのヒントについてお伝えする予定です。

最後までお読みいただきありがとうございました。

どうぞ今日も良い一日でありますようにお祈りしております。

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