中学受験と不登校(664)私立中学での不登校(8)

私立中学での不登校(8)
~私立中学への復帰できる条件~
今日も私のブログにお越しいただきありがとうございます。
感謝申し上げます。
先日より、私立中学校に合格したけれど、不登校になってしまう子どものことを考えています。
合格して通っていた私立中学校を不登校になってしまい、苦しい思いをしてしまうと、現実的には、その私立中学校に復帰することは、かなりハードルが高く、厳しいものがあるとお伝えしました。
しかし、入学試験の難易度に関係なく、学校に復帰していった子ども達がいます。
その子ども達は、無事に上の高校に進学していきました。
もう大学受験をして、難関国立大学に合格した子どももいます。
たくさんの子ども達をお預かりしてきましたが、この子ども達は、まれなケースと言っていいと思います。
この私立中学校に復帰することができた子ども達には、共通のものがありました。
あくまで、私のところに来た子ども達ですので、他のところでは違うかもしれません。
現実的には、何度もお伝えしているように、私立中学への学校復帰はかなり難しいものがあります。
ですので、あくまで参考程度にお考えください。
まず、この子ども達に共通なことは、
1)どんなに辛くても、学校に通う方がやはり良い
と考えていたことです。
家にいて、悩んで動けない状態が落ち着いてきたときに、「学校に戻りたい」と強く思っていました。
私のところに来た時も、ご本人が「学校に戻りたい」と自分で言えました。
ご家族の手前、そういわざるを得ないのではないかと、いろいろ試しに聞いてみても、「何とか戻りたい」という意思がはっきりありました。
これが一番必要なことです。
これなしには、難しいことは、お分かりいただけると思います。
ご家族がどれだけ戻って欲しいからと、厳しく接しても、本人の意思がなければ、とても無理なのです。
2)学習を嫌がらない
これは、わからなくなっているところまで遡らないといけないために、「そんな簡単なことは大丈夫だから、もっと先からしたい」という子どもは、途中で挫折してしまいました。
ですから、復帰するためには、「自分は勉強でかなり遅れている。たぶん落ちこぼれている。」と自分の状態を冷静に分析し、わからないところを認めて、そこから学習することができることが必要になります。
これは、学習だけにとどまらず、「今の自分を受け入れ認める」ということが必要です。
いわゆる、自己受容です。
これは、かなりの勇気がいります。
しかも、辛かった学習に自ら向き合っていかなければならないのですから、相当の覚悟が必要です。
不登校になり、精神的にもかなりつらい状況から、ここまで来るためには、公立・私立に関係なく、かなりの時間が必要です。
それを、短期間に自分の状況を受け入れるようになるには、よほどの覚悟が必要だということは、すぐわかります。
3)冷静で無理をしない
1日でも早く戻りたい、その方が学習の遅れが酷くならないと思い、焦って無理をする子ども達は、結局、復帰できなくなります。
焦ってもうまくいかない、自分の状態から考えると、確実にやっていかないといけないと、冷静さを保てる子どもでないと、学習を続けることが難しいことも、ご想像いただけると思います。
4)勉強だけでは、復帰できないことを自覚している
自分が不登校になったことは、学習面だけではないと自覚していることも大切なことです。
学習の遅れだけで、不登校になったのではなく、むしろ、学校そのものに不安があり、そこに学習の遅れも重なり、精神的に辛くなって動けなくなったのだと、しっかりと認識していることは、ものすごく重要です。
学校の雰囲気、周りの友達とのコミュニケーション、学習、先生との関係、将来への不安、校内での見えない激しい競争など、学校のことすべてが不登校になった原因の可能性があると、しっかりと理解していることが必要です。
だから、勉強以外のことも、チャレンジしていくことが必要です。
私立中学に復帰したいと本気で思うのであれば、少なくても、これだけのことが必要なものだと、私のところに来てくれた子ども達は、私に見せてくれた共通点でした。
ところが、これだけでもうまくいかないのです。
これだけの覚悟を持ってしても、私立中学への復帰は、まだ、難しいのです。
その理由については、次回、お話ししたいと思います。
今日も最後までお読みいただきありがとうございました。
今日も良い1日をお過ごしください。