偏差値が落ちたとき、親がすぐにやってはいけない対応
今日も私のブログにお越しいただき、ありがとうございます。
感謝申し上げます。
模試の結果が返ってきた日のことを、思い出してみてください。
封を開ける前から、少し胸がざわついていたのではないでしょうか。
「今回はどうだろう」 「前回より下がっていたらどうしよう」
そう思いながら、おそるおそる成績表を見る。
そして、偏差値の数字が前回より下がっていたとき、頭の中が真っ白になる――。
そんな経験をされたお母さんは、きっと一人や二人ではありません。
私はこれまで、中学受験のお子さんとそのご家庭を、長年にわたって見てきました。
その中で、何度も何度も、同じ場面に立ち会ってきました。
偏差値が落ちた。 クラスが下がった。
あと数か月で本番なのに、成績が伸びるどころか、下がっていく。
そんなとき、お母さんの中で、ある「気持ちのスイッチ」が入ります。
「なんとかしなければ」
「このままではいけない」
「もっと勉強させなければ」
そして、お子さんに向かって、こう言ってしまうのです。
「なんでこんな点数なの?」
「ちゃんとやってたの?」
「このままじゃ間に合わないよ」
その言葉が出た瞬間、お母さんご自身も、本当はわかっているはずです。
「あ、また言ってしまった」と。
でも、これは、お母さんが悪いのではないのです。
子どもの将来を心配しているからこそ、出てくる言葉なのです。
愛情の裏返しなのです。
ただ、今日お伝えしたいのは、その言葉を「すぐに」言ってしまうことで、もっと大事なものが見えなくなってしまうということなのです。
偏差値が落ちたとき、お子さんの中で起きていること
偏差値が落ちたとき、お母さん以上にショックを受けているのは、実はお子さん自身です。
お子さんは、お母さんよりも先に、自分の成績表を見ています。
「下がってる……」
「お母さんに怒られる……」
「もうダメだ……」
そうやって、家に帰る前から、何度も自分を責めているのです。
そんな状態で、帰宅したお子さんに向かって、
「なんでこんな点数なの?」
と言ってしまうと、お子さんの中で何が起きるか。
「やっぱり、自分はダメなんだ」
「お母さんもがっかりしてる」
「もう、勉強しても無駄だ」
――こうして、心のシャッターが、静かに降りていきます。
親がすぐにやってはいけない3つのこと
41年見てきた経験から、偏差値が落ちた直後に「やってはいけない対応」を3つ、お伝えします。
① 原因を問い詰める
「なんで下がったの?」
「どこができなかったの?」
「ちゃんと勉強してたの?」
これらの言葉は、一見「冷静な分析」のように見えます。
しかし、お子さんにとっては「責められている」としか感じられません。
なぜなら、原因はお子さん自身が一番わかっていないからです。
わからないから、できなかった。 わからないから、答えられない。
答えられないから、もっと責められる。
この悪循環に入ってしまうのです。
② 勉強量を増やす
「もっとやらないと間に合わない」 「今日から塾の自習室にも行こう」 「ゲームは禁止」
成績が落ちた瞬間、勉強量を増やす・・・。
これは、一見、理にかなった対応のように見えます。
しかし、偏差値が落ちるときというのは、お子さんの「容量」がもう限界に近いことがほとんどです。
そこに、さらに量を積み増す。
すると、どうなるか。
体に症状が出始めます。 朝起きられなくなります。 お腹が痛くなります。 塾に行きたくないと言い始めます。
そして、本番までもたなくなるのです。
③ 他のお子さんと比べる
「〇〇くんはクラスが上がったらしいよ」
「△△ちゃん、すごく頑張ってるんだって」
これは、お母さんとしては「励まし」のつもりかもしれません。
しかし、お子さんが受け取るメッセージはただ一つ。
「お母さんは、私じゃなくて、あの子の方がいいと思っている」
これだけです。
比較された瞬間、お子さんは、お母さんへの信頼を失います。
これが最も言ってはいけない言葉なのです。
では、何をすればいいのか。どうすればいいのか。
答えは、シンプルです。
「何もしない」ことです。
正確に言えば、「すぐには何もしない」ことです。
偏差値が落ちた直後の72時間、この3日間は、何も対策を打たない方がいいのです。
なぜなら、この3日間は、お子さんもお母さんも、感情が揺れているからです。
感情が揺れている状態で打つ手は、ほぼ間違います。
その代わりに、この3日間でやっていただきたいことが、一つだけあります。
お子さんに、こう声をかけてください。
「今回、つらかったね」
それだけです。
なぜ、それで十分なのか
「つらかったね」という言葉は、お子さんに、こう伝わります。
「お母さんは、私の気持ちをわかってくれている」 「責められない」 「ここは、安全な場所だ」
そう感じたとき、お子さんの中で、ようやく「次、どうしよう」という前向きな気持ちが、少しずつ沸き上がってきます。
そうして、動き始めるのです。
これは、私が41年間、8,000人以上の子どもたちと向き合ってきて、何度も何度も確認してきたことです。
子どもは、責められているときには動けません。
安心したときにだけ、ようやく動き始めるのです。
それでも不安なお母さんへ
「でも、そんな悠長なことを言っていて、間に合うんでしょうか」
そう思われるお母さんも、いらっしゃると思います。
そのお気持ち、よくわかります。
中学受験は時間との戦いでもあります。 焦る気持ちが出るのは、当然のことです。
ですから、今日お伝えしたかったのは、「永遠に何もするな」ということではありません。
「順番を間違えないでください」ということなのです。
まず、お子さんの心を整える。
次に、お子さんと一緒に「これからどうするか」を話し合う。 そして、最後に、具体的な対策を打つ。
この順番を守れば、偏差値の下落は、必ず立て直せます。
逆に、この順番を間違えると、立て直すどころか、お子さんが受験そのものから降りてしまうことになります。
そうさせてしまうのも、お母さんなのです。
一人で抱え込まないでください
ここまで読んでくださって、
「頭ではわかるけど、いざその場になると、また言ってしまいそう」
そう感じておられるかもしれません。
それも、当然のことです。
我が子のこととなると、誰でも冷静ではいられません。
そんなときに、ご家庭の状況を一緒に整理し、お子さんに合った言葉のかけ方を一緒に考える――そんな相談相手として、私のような立場の人間が役に立てることがあります。
「うちはどうすればいいんだろう」
そう感じておられたら、一度、ご相談にいらしてください。
41年の経験と、8,000人以上のお子さんと向き合ってきた中で得たことを、あなたとお子さんのためだけに、お話しさせていただきます。
▶ 偏差値で迷ったときに読んでほしい記事はこちら:「中学受験と不登校(702)中学受験は変わらない」
最後までお読みいただきありがとうございました。
どうぞ今日も良い一日でありますようにお祈りしております。
ー中学受験と不登校(1027)ー
