中学受験と不登校(702)中学受験は変わらない


中学受験は変わらない


あと2日で令和6年も終わります。


今年、子育てや教育といったところで、感じたことをお話ししてみたいと思います。


中学受験については、本当に変わらないなあというのが実感です。


このことを今回は少し考えてみたいと思います。


なぜ中学受験をするのか、ということは、子ども達は相変わらず、あまり考えていませんでした。


今年、中学受験をしてきた子ども達の中で、どうして通っている中学校を受験したのか?という問いに、自分なりのしっかりとした回答をもっていた子どもは少なかったですね。


この数年、私が所属する進学塾TMC池田に通っている附属池田中学生で53人に「なぜ附属池田中学校を受験したのか?」と聞いたところ、


1.すべり止め(第二志望、第三志望、第四志望)だったから
2.難関大学受験もできそうだから
3.1でかつ楽しそうだったから
4.1で自由でのびのびしているみたいだったから
5.第一志望だったから
6.公立中学に行きたくなかったから
7.親が勧めたから
など


このなかで本人の意思を感じたのは、5だけです。


3と4も少し感じましたが、実際のところは、「すべり止めとして受験するなら」というのが本音でした。


その前提として、自由なところ、楽しそうなところ、という選択になっているのが、子ども達の中学受験を物語っていると感じていました。


自由でない、楽しくない中学受験だったのか、ということを口頭で聞いたところ、「そんなん決まってるやん」「塾に行くのは楽しかったけど、勉強するのは苦痛だった」と、一人を除き全員が答えてくれました。



ご存じない方のために、簡単にお伝えしておくと、大阪教育大学附属池田中学校は、関西では最難関中学には入りませんが、最難関中学のすぐ下くらいのランクであり、大学実績も難関国立10大学への現役合格率が35%前後くらいの学校です。


入試日程が関西の国公私立中学の最後に実施されるため、多くの子ども達が出願してくる学校です。


多くの子ども達、ご家族がとりあえず出願する学校と言えます。


附属池田中学校は、本当に自由で、校則も厳しくなく、自主・自律の精神の育成が教育目標という学校です。


ですから、自由を求める子ども達にとっては、願ってもない学校なのです。



この学校に入学してくる子ども達で成績が中1から奮わない子ども達の多くは、中学受験で最難関中学を不合格になった子ども達です。


中学受験では、ものすごく頑張っていたのですが、不合格になり、ほとんどの子ども達が第三志望にあげていた附属池田中学校に進学してくるのです。


ですので、大手中学受験塾の指導、ご家族の子どもへの接し方や中学受験に対する考え方、子ども達の思いなどを聴貸せていただくことが多く、子ども達には「気の毒に」と思うことばかりです。


自分から学ぶ習慣もなく、やらされることになれ、自分で時間や学習をコントロールすることもできず、苦しく中学受験のために多くのことを制限されていたために、中学に合格した後、歯止めが利かなくなり、自分のやりたかったゲームやYotubeにはまり、ブレーキがかからなくなってしまう子ども達を見ていて、こんな子どもにするために、中学受験をしたのではないだろうに、と悲しい思いになります。



そのくらい、中学受験において偏差値、大学実績、ブランドなど、偏った考えを子ども達に植え付けてしまい、しかも、子ども達が何もわからないからと、無意識にご家族や中学受験大手進学塾が過度な受験勉強をさせてしまった結果が、「もう勉強なんかしたくない!」という子ども達を作っているのだと、実感するしかありませんでした。



これについては、今年も何も変わっていませんでした。



これほどまでに、子ども達の心を傷つけ続けるのは、本当に良くないと思い、中学受験について、今年も警鐘を鳴らしてきたつもりです。


中学受験を否定しているのではなく、メリットだけえなく、そのリスクやデメリットもしっかりと考えて欲しいと訴えてきたのです。


附属池田中学校に通う子ども達だけから中学受験を考えるのは、無理があるかもしれませんが、中学受験において、子ども達の置かれている現状を、如実に表していると言えるとも思っています。



子ども達が中学受験に向かうにあたり、どのように考えて中学受験をすることにしたのか、そして、中学受験までのプロセスに無理はないか、ということを常に意識した受験であって欲しいと、心から願います。


2026年以降の中学受験をお考えの現小5のお子さんをお持ちのご家族には、十分にお考えいただきたいと思います。



今日も最後までお読みいただきありがとうございました。

今日も良い年末の1日をお過ごしください。

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