中学受験と不登校(681)学習以前の問題(15)


学習以前の問題(15)
~難しければいい時代はない~


今日も私のブログにお越しいただきありがとうございます。

感謝申し上げます。


塾で学ぶ以前に考えないといけない問題について、ずっとお話ししてきています。


ここまで、「何のために中学受験をするのか」ということを、本気で考えて欲しいとお伝えしてきました。

それには、「どんな人になって欲しいか?」という明確な目的が必要だということを、お話ししてきました。


偏差値、大学合格実績、ブランド力、そういうもので、学校を選んでいるご家族が相変わらず本当に多くいます。



なぜ、偏差値の高い、ランク上位に合格して欲しいのですか?

難関国立大学や国立大学医学部医学科に少しでも近いと思うからですか?

難関国立大学に合格したら、大手企業や官僚になれるからですか?

それをお子さんがしたいと心から望んでいるのですか?



お子さんは、まだ、何もわかっていないこともあるでしょう。

だから、親が導いてあげないといけないというご意見もあることは、40年近く、塾講師として教えていますから、十二分に承知しています。


一方で、中学受験をした子どもが、最難関中学にもう少しのところだからと、無理な勉強をさせられ、懸命に努力して、結局、数点で補欠繰り上げにも届かず、不合格になった子ども達をたくさん見てきました。

この子ども達は、そのあと、何もする気がなくなり、大学は関東なら日東駒専、関西なら産近甲龍に進学していっています。


中には、頑張ってリベンジして国立大学や早慶、MARCHI,関関同立に進学した子ども達もいますが、そうならないことの方が多いことは、残念な事実です。


私の教え子に、京都大学の学生と同じ大手企業に就活をして、その企業に就職していった元不登校生がいます。

この子どもは高校に入学していません。

通信制高校ですら通えなかったのです。

高卒認定試験に合格して、専門学校に行き、即戦力になるべく、その東証プライム市場上場企業に就職していきました。


お分かりの通り、そんな簡単に専門学校生がそういう企業に入れるわけはないのです。

コネも何もなく、その企業に就職できたのは、その子どもの人柄しかありません。

不登校という他の子どもが経験していない辛さを乗り越え、熱心に勉強してきたことが、就職の際に評価していただけたのです。

同じ時に、同じ企業を志望した京都大学生は、残念な結果になりました。



別の子どもで、中学で不登校になり、通信制高校に進学し、卒業後、起業して年商7億円のベンチャー企業の社長になっている子どもがいます。

彼は、現在、まだ21歳です。

大学は受験すらしていません。



関西の最難関中学・高校を卒業して大学受験をせず、起業して成功している子どももいます。

公立トップ高を卒業して、大学受験をせず、専門学校に行き、就職していった子どももいます。

これらの子ども達は、本当に生き生きと仕事をし、社会の第一線で活躍しています。



無理な中学受験をして、不合格になり、その後、何もやる気をなくして、中学受験当時からは考えられない大学に進学した子ども達の中には、ひきこもってしまった子どももいます。

無理な中学受験をして不合格になったけれど、今も友人を大事に、楽しく大学生活を送っている子ども達もいます。

しかし、多くの子ども達がその後のことを、高校時代の友人にも伝えることなく、現在、どこかで活躍してくれているかもしれませんが、どうしているかわからないのが現状です。



私がお話ししているのは、極端な例ではありません。

これが現実です。


無理な中学受験さえしていなければ、子ども達の能力を生かして、子ども達が生き生きと生きていけたのにと思うと、残念というよりも、悔しくて仕方がありません。

大人の私たちが、子どもの生きる力を奪ってしまうような受験は、絶対にあってはならないと、この仕事をしていて強く思います。



子どもの生きる力を奪う受験が最も起きやすいのが、中学受験です。

なぜなら、子ども達自身の受験に対する思いが、自分の心からの思いかどうかが、まだ、はっきりしない、自我が目覚めていないことが多いからです。


だからこそ、ご家族がほんとにお子さんのためだというのであれば、決して無理な受験をさせない、無理な受験勉強をさせないでいただきたいと、心から願います。


AIがこれだけ普及して、世の中は、急激に変化していきます。

スマホが出てきたとき以上の変化になるでしょう。

ググるより、ChatGTPに聞く方が、より確実な回答が早く得られるようになりました。


大学受験も総合型選抜がどんどん増えています。

もう、難関中学・高校で高い学力をつけたから難関大学に合格しやすいわけではなくなってきているのです。


ご家族が、自分の受験の時の価値観など役に立たないことが多いと理解し、より社会の変化に敏感になっていただきたいと思わずにはいられません。



今日も最後までお読みいただきありがとうございました。

今日も良い1日をお過ごしください。

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