中学受験と不登校(675)学習以前の問題(9)

学習以前の問題(9)
~もっと根本的な問題~
今日も私のブログにお越しいただきありがとうございます。
感謝申し上げます。
塾に来てくれる子ども達の「やる気が出ないと勉強できない」という問題についてお話しています。
前回、学習を習慣的にするには、どうしたらいいかということをお話ししました。
子ども達が自ら学習をしていくようになるためには、
①とりあえず動く
②やらないといけない環境がある
③習慣的にする
の3つが大切だということもお話ししました。
ところが、お話しながら、ちょうど中学受験が終わった子ども達と、高校受験や大学受験の子ども達と何が一番違うのだろうと考えてしまいました。
どうも、目の前の子ども達を見ていても、これまでの子ども達を見ていても、気持ちがすっきりしない、納得できない、違和感がずっとあることに、私自身、気がついたのです。
大学受験では、自分の目標があり、その目標に到達したい理由、目的がある子どもが結構な割合でいます。
中には、ものすごく明確な目的があり、その目的を達成するには、目標となる大学に合格しないといけないと考える高校生がいます。
ところが、高校受験をする中学3年生、中学2年生、中学1年生と年齢が下がると、目標、目的みたいなものがあやふやになってきます。
中学受験になると、目標ははっきりとしていることもあるのですが、目的はかなりいい加減です。
目的などというものがないことの方が多いように感じます。
ここで私の違和感と言うか、気持ち悪さの原因がはっきりしたのです。
中学受験生にそれを望むのは無理なこと、意味のないことなのかもしれませんが、「目的がはっきりとしない」のに、受験に向けてやっているのです。
その中学を受験する本人なりの明確な理由がないのです。
なぜ、その中学を受験したいのか、そこの中学になぜ行きたいのかということが明確ではないのです。
以前からわかっていたことでもありますが、私自身もそれをどこかで当たり前のように思いこんでしまっていたのだと思いました。
この志望理由なるものがはっきりとしないために、学習をする目的もなく、塾に通う理由も「何となく言われるまま」だとすると、どうやっても、学習意欲など湧くはずもありません。
「やる気に頼らず学習する方法」などを語ったところで、子ども達の心に響かないのは、至極当たり前のことだと思います。
多くの中学受験をする子ども達が、「なぜ、中学受験をするのか?どうしてその学校を受験するのか?」という問いに、自分の言葉で答えらえないのではないかとさえ、思うようになりました。
子ども達の言葉で語られる理由は、多くの場合、お父さん、お母さんが子ども達に言っている理由と同じでしょう。
それが、子ども達が自分でその中学を受験すると考えていない証拠と言ってもいいかもしれません。
だからこそ、子ども達は、常に「やらされている感をぬぐえない」でいるのだと思わずにはいられません。
その状態を小学4年生からだとしても、3年間、刷り込むのです。
そして、合格してもしなくても、中学生になっても、学習に対しては同じように「なぜ、学ぶのか?」という意識はなく、「何となくやらないといけないものだからやる」というのですから、学びは少ないことは明白です。
お父さん、お母さんは、子どもが中学受験する中学校を志望する理由を、大学受験実績以外で、明確に答えられますか?
学校案内やパンフレットにのっている言葉ではなく、お父さん、お母さんの言葉で、受験する中学を受験して欲しい思いを話せますか?
お子さんと一緒に、そのことを考えたことがありますか?
その学校を子ども達は受験することを、ほんとに納得していますか?自分で決めていますか?
受験するのは子ども達です。
その子ども達が、自分がなぜ中学受験するのか、なぜその中学校を受験するのかを、明確に答えられ、合格後、子ども達自身なりの中学受験する理由になるのだと、私は思います。
せめて中学受験の大手進学塾に入塾を考える前に、その塾に通う理由、中学受験をなぜするのかという理由を、お子さんと一緒に考えて欲しいと思います。
今日も最後までお読みいただきありがとうございました。
今日も良い1日をお過ごしください。