最近、急にぼーっとする…中学受験で心のエネルギーが切れ始めた子のサイン

中学受験の生活面・メンタル面を考える(15)

今日も私のブログにお越しいただきありがとうございます。

心から感謝申し上げます。

「ぼーっとしてる」その子は、サボっているのではありません

あるお母さんのお話をさせてください。

小学5年生のAくんは、4年生のころから大手進学塾に通い、毎週、復習テストを受け、休みの日も宿題に追われていました。

お母さんは「この子は真面目だから大丈夫」と思っていました。

ところが5年生の秋ごろから、Aくんに変化が出てきました。

授業中や食事中に、ふと遠い目をして、声をかけてもすぐに反応しない。

「また気が散ってる」とお母さんは思い、「ちゃんとしなさい」と声をかけ続けました。

しかし、ぼーっとする時間はどんどん増えていきました。

成績は横ばい。宿題も途中でやめてしまうことが増えました。

そしてある朝、Aくんは「頭が痛い」と言って、学校を休みました。

このお話は、私がこれまで見てきた多くのご家庭に、実際に起きていることです。

「ぼーっとしている」という変化を、多くのお母さんは「やる気の問題」として捉えます。


でも、これは違います。


「ぼーっとする」という状態は、脳と心が「これ以上処理できません」と伝えているサインのひとつです。


心のエネルギーには「タンク」がある

人間の心には、使えるエネルギーに限界があります。

これは、大人も子どもも変わりません。

ただ、子どもの場合、そのタンクの容量が大人よりずっと小さい。

しかも、中学受験を考え、大手進学塾に通っている子どもたちは、そのタンクを毎日こんな方法で消費しています。

・塾での集中(座って何時間も話を聞く)
・宿題(帰宅後もさらに何時間も)
・模試のプレッシャー(テストのたびに親の顔が頭に浮かぶ)
・親からの期待(「もっと頑張れ」という言葉)
・クラスメートとの比較(塾内の順位、偏差値)

これだけのことが、毎日毎日、積み重なっていくのです。

そのタンクが底をついてくると、最初に現れるのが「ぼーっとする」という状態です。

これは「やる気がない」のではなく、「やるためのエネルギーが残っていない」のです。

なぜ「ぼーっとする」が危険なサインなのか

「ぼーっとする」だけなら、まだ回復できる段階です。

しかし、ここで間違った対応をしてしまうと、次のステージへ進んでしまいます。

第一段階:ぼーっとする、反応が遅くなる → まだ心のタンクに少し余裕がある状態

第二段階:腹痛・頭痛・眠気などの体の症状が出る → 心のSOSが体に出始めた状態

第三段階:朝起きられない、学校を休む → 体と心が「もう動けない」と言っている状態

第四段階:不登校、受験からの離脱 → エネルギーが完全に枯渇した状態

Aくんも、ぼーっとするところから始まって、半年後には登校渋りが始まっていました。

この流れを「知っていた」のと「知らなかった」では、対応がまったく変わります。


親が無意識にやってしまいがちなこと

「ぼーっとしている」お子さんを見たとき、お母さんが無意識にとりがちな行動があります。


「ちゃんとしなさい」「集中しなさい」と声をかける。


これは、子どもの心のタンクにさらに穴を開けます。

すでに枯渇しかけているタンクを、叱咤によってさらに漏らしてしまうイメージです。


また、こんな言葉もよく聞きます。

「受験が終わったら休めるから、今は頑張れ」


気持ちはわかります。

でも、今まさに休憩が必要な子どもに、「後で休もう」と言っても、心のタンクは回復しません。

燃料がなくなった車に「もう少し走れ」と言っても、動かないのと同じです。


では、どう見極めるのか

「ぼーっとしている」のが心のエネルギー切れのサインかどうか、次の4つの視点で確認してみてください。

① 以前と比べて変わったか
急に増えたのか、もともとのんびりした子どもなのか。
変化があるなら要注意です。

② 楽しいことでも表情が乏しいか
ゲームや食事など、好きなことをしているときにも無表情になっていれば、エネルギー切れの可能性が高いです。

③ 会話のキャッチボールが減ったか
話しかけても返答が短くなった、反応に時間がかかるようになった。
これは心が内側に引きこもっているサインです。

④ 宿題への取り組み方が変わったか
以前は黙って取り組んでいたのに、今は途中でやめてしまう、全然手をつけない。
これはやる気の問題ではなく、エネルギーの問題であることが多いです。


回復のためにできること

心のエネルギーを回復するには、シンプルなことが大切です。

まず、何かを「やめる、削る」ことです。

宿題を全部やらせることよりも、子どもが少し「ほっ」とできる時間を作ることの方が、中長期的な成績には貢献します。

どこを削るのかは、ご家庭の状況によって違います。

通塾回数なのか、宿題量なのか、模試の頻度なのか。

これは、塾に相談しても「減らしましょう」とは絶対に言ってもらえません。

なぜなら、塾の仕事は「合格させること」であり、「子どもの心を守ること」は、残念ながら優先事項に入っていない場合がほとんどだからです。

だからこそ、第三者への相談が必要になってくるのです。


「ぼーっとする」に気づいたお母さんへ

最後に、このブログを読んでくださっているお母さんに伝えたいことがあります。

「ぼーっとしている」と気づいたあなたは、すでに正しい方向を向いています。

多くのお母さんは、成績や偏差値に目が向いて、子どもの「顔」を見ていないことがあります。


でも、あなたは気づいた。

その気づきを、ぜひ次のステップにつなげてほしいのです。


「何かおかしい」と感じているなら、それは正しい直感です。

その直感を信じて、今の受験の進め方を見直すタイミングが来ているかもしれません。


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塾での成績や合格実績ではなく、「お子さんの今」を一緒に整理させていただきます。

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塾講師として41年、不登校生のサポートを36年続けてきた私が、一番大切にしてきたのは、子どもの「心」です。

成績は後からついてきます。

でも、心が折れてしまったとき、取り戻すのには、本当に長い長い時間がかかります。

「ぼーっとする」という、この小さなサインを、どうか見過ごさないでください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

どうぞ今日も良い一日でありますようにお祈りしております。

ー中学受験と不登校(1023)ー

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