私の仕事②


子どもとのたわいも無い話から、聞くともなく聞いていて、そのうち、自然といろいろな話をしてくれるようになってくると、家の状態もわかってきます。
そこで、必要があれば、ご家族にもお話をお聞きして、何気なく状況を確認するのですが、この時に本音で話していただけることは、ほぼありません。
でも、そのことで子どもは、かなり楽になって変わるのです。
これをきっかけに、子どもがもう少し突っ込んだ話をし始めることがあります。
こうやって、突っ込んだ話をし始めるのは、だいたい進学塾に来ている子ども達です。
フリースクールの子ども達は、自分のことでいっぱい、いっぱいのことが多くて、家のことを話すのは少し後のことになることが多いように思います。
自分のことがある程度、受け入れられ、自分を認めることができるようになってくると、ようやく家のことになるのですが、自分のことと家のことがセットになっていることが多いので、わざわざ家のことを話すという感じにはならないのです。
ところが、塾の子ども達は、成績が上げていかないといけないのに、気になっていることがあると、それどころじゃ無いので、そこで、自分が問題だということを意識していくのです。
その自分の心の中に無意識に抱えている重い荷物を、少しだけ私に肩代わりしてもらいたいと吐き出すことになるのです。
例えばご両親の仲がすごく悪い、嫁姑問題でもめている、お父さんが生活費を入れてくれない。お母さんが口をひらけば勉強しろと言う、お母さんがご飯をつくらずいつもお惣菜を買ってくるだけ、などいろいろなことを聞かせてくれるのです。
意図的に聞き出しているわけではありません。
ただ、話しやすい雰囲気にはしていると思います。
子どもが自然に話してくれるのを待つだけにしています。
心に何かひっかかりがあると、本当に勉強に集中して取り組めないと、私は思っています。
その心の負担を少しでも取り除いてあげたいと思うのです。
負担を取り除く方が圧倒的に勉強に集中できるからなのです。
そこで話が出てくると、やはり、もう一度、ご家族からお話を聞かせてもらうことになるのです。
その時は、はっきりと、お子さんの成績が上がらないことで、少しご相談があります、と言ってお話させていただくのです。
お話をお聞きする中で、ご家族も子どもが言っていたことを正直にお話しいただき、悩みを吐き出してもらえることがあります。
こうなると、ご家族と一緒に考えていき、ご家族が納得のいく方法で解決に向かうことがあります。
この時、子どもはものすごく元気になり、勉強に向かいます。
ところが、やんわりとその話を少しこちらから話かけたら、ご家族が露骨に嫌そうな顔をされて・・・
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