中学受験と不登校(770)本当に塾が必要ですか?29

本当に塾・予備校が必要ですか?29
今日も私のブログにお立ち寄りいただきありがとうございます。
心から感謝申し上げます。
中学2年生になる子どものことがきっかけで、お話しをさせていただいてきました。
この中学2年生の子どもと同じ学校で、同じ中学2年生の子どものご家族からも偶然、ご相談いただきました。
子ども同士は同じ学校なので、二人は顔見知りですが、ご家族は特にお知り合いというわけではないようです。
この子どもは、同じように、中学受験の大手進学塾に通い、合格して学校に通っているとのことでした。
お聞きしてみると、勉強をする気がない、学校の宿題もしない、提出物も出さない、日々、だらだら過ごしているとのことでした。
それで、中学1年生の学年末の成績は、とても厳しいものだったというのです。
ご家族に、「お子さんがどうなればいいのですか?」とお聞きしましたら、大学は国公立大学の医学部医学科に行き、医者になってほしいというのです。
ご家族にお医者さんがいるわけでもなく、ただ、親の希望として医者にさせたい!と強く思っていらっしゃるのです。
子ども本人はというと、今の時点では、医者になるなど将来のことは何も考えてもおらず、しばらくはのんびりと過ごしたいとしか思っていません。
ただ、ただ、今は楽しく過ごしたい、勉強することは、まっぴらごめんだけど、全くできないのも嫌だと言っていました。
本人の言い方では、「おバカになるのは嫌だ」と、変なプライドだけは持っているのです。
この変なプライドが、困ったことなのです。
こうなったのは、どうしてなのでしょうか?
中学受験の大手進学塾の激しい競争の中で、勝ち抜いて合格したことで、そうなったのかどうかも、今となってはわかりません。
とにかく、今は適当に楽しく過ごせればそれでいいというのですから、勉強などするはずもありません。
この状況の中で、お母さんは、医者になって欲しい、だからもっと、今から勉強をして欲しいというのです。
このお母さんは、定期テスト前になれば、かなりああしなさい、こうしなさいと、子どもに指示命令をしていました。
それを見ていて、少なくとも、このお母さんは子離れはできていない、自分の思うようにして欲しいは、かなり強いと思っていました。
そのお母さんから、「何とか成績を上げたい。できればトップ層にいさせたい。どうしたらいいですか。」と問われたので、
お母さんが指示命令をしない
すべて自分でさせる
学校の提出物と宿題は必ず提出する
これらのことが最低限できれば、成績は上がっていくと思うと、はっきりとお伝えしました。
そうしたら、「そんなことをしたら、今まで以上にもっと何にもしなくなって、もっと成績下がるじゃないですか!」とものすごい剣幕で怒っておっしゃいました!
このようなことを言って、実際にそうするから、子どもが嫌がって、余計に何もしなくなると思うのです。
ところが、この子どもは、嫌だと言いながら、なんだかんだ言って、このお母さんが指示してくることを、結局やっているのです。
それは何もしなければ、テストの点数が取れないことは間違いないからなのです。
変なプライドが自立していくことを邪魔しています。
「何もしたくない、テストの点数は取りたい、責任は取りたくない」というのですから、呆れてものが言えません。
これは、ここまでお話ししてきた、もう一人の中学2年生の子どもと全く同じなのです。
そして、どちらのご家族も、同じように、自分達の子どもに、自分達が考えるようにして欲しいと思っています。
だから、子どもが勉強するように、コントロールしようとしているとしか私には思えませんでした。
それが絶対的に正しいと信じていらっしゃるのか、他にないと思っていらっしゃるのかは私にわかりませんが、少なくとも、子どもがどのように思っているかは、考えてはいないことだけは、はっきりとわかりました。
子どもの思いなんて考えても子どもは動かないし、勉強はしない、そう思っていることは、2家族ともはっきりとおっしゃっています。
中学受験の大手進学塾に通っている子どものご家族の中には、このように考えているお母さんがいらっしゃることは、間違いありません。
まとめると、2人の子どものお母さん方は、次のような状態です。
①子どもを守る側には立たない
②子どもの思いなど考えない
③子どもにとにかく勉強させたい
こうなると、成績は伸びず、子どもは自立できず、親子関係が壊れていきます。
このようにされてきた子ども達は、思春期に入り、当然のこととして、親との距離を取ろうとするはずです。
しかし、勉強については、親に依存してしまい、当然、テストの点数が取れず、成績は良くはならず、負のスパイラルになっていきます。
この2家族のように、子どもを守らず、子どもの思いを無視して、勉強だけしていればいいという態度から考えられることは、「子どもを信じない、信じられない」ということです。
そして、お母さんが自分の人生を楽しく生きてはいないと、私には思えます。
それで、子どもがのびのびと生きていけるはずなどないと思うのです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
どうぞ今日も良い1日でありますようにお祈りしております。
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私立中学中堅校受験専門塾 旭進学会の荒井尚宏と私が、教育について言いたい放題、語っています。
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