中学受験と不登校(777)就職氷河期世代と中学受験



就職氷河期世代と中学受験


今日も私のブログにお立ち寄りいただきありがとうございます。

心から感謝申し上げます。



1990年代にバブルがはじけた後、「バカげたマネーゲーム」により起こった経済の崩壊のために、この頃に就職をしようとした方々は、本当にとても辛い思いをされたと思います。

それが今も続いていることは、私よりも上の60代、70代の方には意外と忘れているように思います。


ちょうど、今、子育てをされていらっしゃる方々の多くは、この就職氷河期世代の方だと思います。

そうでなくても、平成不況の真っ只中で就職活動をしなければならなかった時代の方だと思います。


私はバブル崩壊直前の、バブル期最後の就職でしたから、それほどの苦労はしませんでした。

私は大学院まで進んでいましたから、学部卒業時点では、私の卒業した大学からでも、日本の有名な最大手企業にたくさん就職していきました。

大学院の時でも、学部生の後輩達は本当に一部上場企業に就職の内定をもらい、就職していきました。

私は、自分の進みたい道に進みましたから、大手企業にはご縁もなく、後輩達からはさんざんバカにされました。

「大学院まで出て、そんなところにしか就職できなかったんですか?」
「この時代にさすがに、そんなところに就職するのはないでしょう!」
「実は、大手は全部落ちたのですか?」

と本当にとことんバカにされ、貶められました。

私をバカにした後輩たちは、バブル崩壊後の不況に突入して、ほとんどが大手企業をやめてしまいました。

実質的に働いたのは、数年だったでしょう。

その多くが、今、学校現場で教師として働いています。


私は大手予備校、電子楽器メーカーの2つに最初から絞っていましたから、その2つからは内定をいただきました。

どちらも、ものすごく学ばせていただいた面接でした。

最終面接での学びは特に大きく、今でも、その面接から学んだことは生きています。



ところが、就職してすぐにバブルは崩壊し、数年後には一気に不況になりました。

1997年には北海道拓殖銀行と山一證券が倒産し、金融危機が起こり、日本は長い不況に突入していきました。


まさに、今、子育てしていらっしゃる方々の多くは、この後の就職氷河期か、そこから脱し切れていない時代に就職活動をされていたと思います。


ですから、当然のこととして、少しでも大きな企業で、安定した生活をさせたい。

あるいは、公務員として安定した生活を送らせたい。

そのためには、競争に勝ち残っていかなければならないとお考えになっていたとしても、やむを得ないと私は思っています。

そのくらい厳しい就職活動と、仕事はあっても収入面でご苦労をされたのではないかと思います。


そういうことを意識していなかったとしても、ご自身の苦労された経験は、自然と身にしみ着いていることもあり、お子さんには、そのような苦労をさせたくないという方向に向いていたとしても、それはどうすることもできないことだと思います。


ところが、そこから約30年の間に、日本も世界も劇的に変わりました。

携帯電話、スマートフォン、インターネット、AIなどの登場により、バブル崩壊当時とは比べ物にならない状況になっているのです。

もう、全く違う時代になっていますが、実は、中学受験大手進学塾のやっていることは、この30年間、あまり大きく変化をしていません。

ですから、ご家族にはわかりやすく、しかも、難関中学・高校から難関大学に進学し、大手企業などに就職していくという考えが、どこかにあるので、子どもに自然と中学受験をさせていこうという流れになることは、当然のことのようにも感じています。


ところが、今の時代、子どもの数が減り、また、競争に勝てば生きていけるかというと、そんな簡単なことではありません。


だからと言って競争に勝つことがダメなのかというと、競争できる力もなければ生きていけないことも事実です。

 

しかし、自分だけが競争に勝てば良いという時代ではなく、文部科学省も、主体的、対話的、協働的ということを前面に押し出しています。

受け身ではなく、自ら考え行動し、周りの方とのコミュニケーションをしっかりとりながら、みんなで共に成果を上げられるように行動していくことが求めれられています。

これは、裏を返せば、そういうことができていない若者が多く、競争ばかりになっていることを反省しているかのようにも思えてなりません。

そのために、中学受験をさせるにしても、競争に勝つだけでなく、仲間と共に切磋琢磨して、共にがんばろうというような子どもにしていかなければならないということです。

 

ところが、大手進学塾から帰っていく子ども達を見ていて、そのような雰囲気を私は全く感じられないのです。

しかも、やっていることが、この30年間、大きな進化もなく、大量の宿題とテストによる競争しか行っていない大手進学塾が、今の時代に最もそぐわないことを、子ども達に強要しているところがあるように思えてなりません。

そこで身に着けることは、今の時代に求められている人物像とは、かけ離れたものになっていると思います。

そのことを、ご家族がしっかりと認識して、子ども達が世の中から明らかにずれてしまうことを、ご家族が防ぎ、守ってあげる必要があると思います。


そうすることで、中学受験の大手進学塾に通わせることを最大限に生かしていくことも、ご家族が考えていただかないといけないことだと思います。



最後までお読みいただきありがとうございました。

どうぞ今日も良い1日でありますようにお祈りしております。

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