中学受験と不登校(769)本当に塾が必要ですか?28

本当に塾・予備校が必要ですか?28
今日も私のブログにお立ち寄りいただきありがとうございます。
心から感謝申し上げます。
中学2年生になる子どものことがきっかけで、お話しをさせていただいてきました。
この中学2年生の子どもとお母さんのその後をお伝えしておきたいと思います。
このお母さんとは、何度も何度もお話をさせていただきました。
お母さんには、子どもに勉強させ、競争に勝たせることについて、そこまで執着するのはなぜかということを考えてもらいました。
「競争に勝てば、幸せですか?」という私の問いに、このお母さんは、「少なくとも負け組にはならないでしょう?」と譲りませんでした。
お母さんとしては、「少なくともお金を稼げて、苦労をしないようにさせてあげたい。」ということをしきりにおっしゃっていました。
お母さんが実体験として競争に勝てず、稼げずにお金に苦労した、ということではありません。
激しい競争に勝って難しい国私立中学・高校から難関大学に行ったから、競争に勝って、稼げたことで、幸せだったということでもありません。
あくまで、そうであろう、その可能性があるならそうさせてあげたい、という親心です。
これには、納得できる方もたくさんいらっしゃると思います。
しかし、「お金」は確かにあるにこしたことはないことは、誰でも考えます。
そのために、難しい大学に行こうとすることが悪いと思いません。
そのために、中学受験の大手進学塾に通い、大量に与えられること問題を解くためだけに授業を受け、与えられたことをただこなし、入学試験で確実に点数が取れるようにさせたいという思いも、わからなくはありません。
しかし、そのために、子どもの心の疲弊をも顧みず、子どもの思いも犠牲にして、週に4回も5回も塾に通わせ、夜遅くまで勉強をさせることが、良いとも思えません。
お母さん、お父さんがそういう子ども時代を送り、現在も笑顔で幸せな生活を送っている、幸せな生き方をされていて、その背中を子ども達に見せているのであれば、子ども達は、そうすることで幸せになれると感じられるので、まだ、救われると思います。
お母さん、お父さんが現在、幸せで充実している、笑顔で子ども達と過ごせているなら、良いのです。
この中学2年生の子どものお母さんは、はっきりと
「幸せなんて感じたことはありません。みんなそんな幸せなんて実感して生きていないのではありませんか?そんなことを求めても仕方がないのではありませんか?特に可もなく不可もなく生きていられたら、幸せなのではありませんか?」
とおっしゃっていたのです。
私から、それをお子さんに言ってみてくださいとお伝えしたのです。
お母さんはそのままおっしゃったと、お子さんから聞きました。
子どもは、「先のことなんて、何もわからないのに勉強ばっかりさせられて、お母さんは、楽しく生活していない。私にばっかり勉強を押し付け、自分は日々、何となく過ごしてる。親は何となく過ごしているのに、子どもにばかり強要するのは止めて欲しい。私だって誰からも強制されずに生きたい。」とかなり憤慨して言っていました。
このやりとりを聞いて、やりきれない思いになりました。
この子には、明るい未来など到底描けないのです。
この子には、周りの大人は、誰も充実した楽しい日々が来ることを見せることができていないのです。
生き方のモデルとなる大人が周囲にいないのです。
それでは、現実から目を背けて、学校に行って、何となく同級生たちと話して、帰ったらYoutubeを見て、時間をつぶすだけの日々を送りたくなるのもわかります。
小学生の間に犠牲にした時間を取り返し、そのときに疲れた心を休めるように、勉強も何もしない日を送りたくなる気持ちもわかるのです。
こんな思いをさせるために、中学受験の大手進学塾で学ばせたのではないと思います。
でも、こうなることは、簡単に予見できたはずです。
それでも、この子どものお母さんは、自分が幸せを感じていない、自分はこんな人生を送りたかったのではないということに気がつかれて、どこかで「道を外れた」とお感じになられるようになりました。
自分が充実して生きていないのに、子どもにはそれを求めていたともおっしゃるようになりました。
子どもの方は、まだ、反発ばかりで大きな進展はありませんが、それでも、自分から少しずつは勉強するようにはなりました。
この子どもがどうなっていくのか、見守っていきたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
どうぞ今日も良い1日でありますようにお祈りしております。