中学受験と不登校(763)本当に塾が必要ですか?22

本当に塾・予備校が必要ですか?22
子どものメンタルがやられる
今日も私のブログにお立ち寄りいただきありがとうございます。
感謝申し上げます。
この数日間、ブログを書く余裕がありませんでした。
というのも、中学1年生の子どものことで、ご相談をお受けし、子どもとも対話して、そのことでいっぱいいっぱいになっていました。
この子どものことが、皆様の参考になると思いましたので、書かせていただこうと思います。
小6になって、入試に向けての勉強が始まり、生活自体が勉強のことを中心に動き始めると、中学進学後のことは頭から消えてしまいます。
それは、子ども本人もご家族も、どちらも同じです。
とにかく合格することに気持ちは持っていかれます。
そうなってくると、「子どもの成績を上げる」ことだけに、一家全員の気持ちが向いてしまいます。
このブログをお読みいただいている方の中にも、「どうしたら子どもの成績が上がるか、塾のクラスを上げられるか」ということについての情報を探していらっしゃる方も多いと思います。
それは悪いことではありません。
入試というものを突破していかなければならないのですから、当然です。
ただ、ご家族については、もう少し客観的な視点を持っていただきたいと思います。
この数日、新中学2年生の子どもの対応をしていました。
この子どもは、合格した中学に入学した時点では、そこそこ上位にいたことは間違いありません。
現在も、通知表上では、真ん中くらいのところにはいます。
しかし、実際の定期テスト、実力テストの点数だけを見ると、かなり下位です。
学年の下から4分の1に入ってしまっていることがわかります。
特に数学、英語は、学年の下から10人に入っていることは間違いありません。
この子どもと話していて、感じることは、
・常に周りとの比較の中で考える
・自分で考えることはしない
・自分の責任にされたくない(常に人のせいにする)
・努力したくない
・損得でしか考えられない
・すぐ感情的になる
・勉強はどうあってもしたくない
この状態になっています。
この状態では、どうすることもできません。
この子どもは、中学受験の大手進学塾に通っていましたが、成績が伸びず、小6の途中で塾を変わり、何とか通いたいと思っていた中学校に合格出来て通っています。
ただ、ひたすら競争する中で、周りの子ども達に勝ちたい気持ちだけが強くなりすぎ、でも、結局、伸びずに大手をやめた経緯があります。
それだけではないことは、わかっています。
競争に負けた弱者だとおっしゃる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、そうも言いきれません。
なぜなら、中学受験大手進学塾では成績は奮わず、苦しんだのですが、個人塾に変わり、そこから、元から大手進学塾にいるときから行きたいと思っていた第一志望校に合格しているのです。
競争には勝ち抜いてきたと言うのが正しいでしょう。
それにしても、その頑なな様子と、裏腹にものすごく依存してくる様子のアンバランスさを見ていて、この子どもは、どうなっていくのだろうと心配でしかありません。
お決まりのパターンですが、この子どもも、猛烈な「ネット依存」です。
しかし、スマホだけの依存状態で、現在の状況になっているわけではないのです。
この子どもがスマホを手にするのは、中1の最初ですが、ご家族が厳しく制限をかけていて、1日1時間しか使えない状況にありましたから、スマホ依存ではないのです。
ところが学校で購入するパソコンが問題だったのです。
スマホをどれだけ制限したところで、学校の提出物や宿題をパソコンで出されてしまうので、パソコンを使わないといけないことは仕方がありません。
そうすると、パソコンがネットにつなげて、YouTubeには接続できるので、そこでずっとYoutubeを見るようになったのです。
これには、ご家族も学校の宿題があるために、簡単には制限がかけられず、親の目を盗んでは、Youtubeを見るようになったのです。
それも、根本的には、競争、競争と煽られ、その中でもがきながら、自分を見失い、心傷つき、ご家族にも一切、自分の本音を見せず、辛いとか寂しいとか悲しいとか言えることもなく、もう、家族とのあたたかい心の交流など考える余地もない状況になってしまっています。
間違いなく、中学受験のための過剰な勉強と競争が、この子どもの心を大きく傷つけてしまったことは否めません。
そのことをきっかけに、第一志望校に合格したにもかかわらず、子どもは転がるように成績を下げ、ネットに依存し、ご家族との心のつながりもなくしていったのです。
これを、元の優しい子どもに戻すことは、時間もかかり、簡単には行かないことです。
こういうことが、起こる可能性が高いので、ご家族には、成績に躍起にならず、客観的に子どもの様子を見守れる状態でいて欲しいと願わずにはいられません。
最後までお読みいただきありがとうございました。
どうぞ良い1日になりますことをお祈りいたします。