中学受験と不登校(731)小さいときに体ができる

小さいときに体ができる
今年の中学受験の結果が、概ねはっきりしてきました。
合格できた子ども、残念だった子ども、希望のところには行けなかった子どもと、それぞれだったと思います。
ご家族の皆様も含め、本当にお疲れさまでした。
子ども達は本当によくがんばったと思います。
結果にかかわらず、子ども達をほめて、癒してあげて欲しいと思います。
さて、今日は、私の体験と学んだことの融合したお話です。
私は小さい頃、小児ぜんそくでかなり体が弱く、ぜんそくが出るのと同時に、原因不明の微熱が続いて、何度も血液検査をされたことを覚えています。
幼稚園や学校にもあまり通えない時期があり、ずいぶんと辛い幼少期でした。
その分だけ、調子が良いときは、遊びたい子どもだったので、小学校の20分休憩や給食後のお昼休みは、運動場でドッチボールをしたり、鬼ごっこをしたりしていました。
それでも、やはり、体は小さくガリガリの子どもでした。
当然、骨の発達や体全体の発達には影響したと感じています。
中学生になり、少しずつ体が大きくなってくると、ぜんそくは段々、よくなっていき、その分だけ動き回れる用にはなりました。
中学1年生の間は、まだ、調子のよくないときもあり、クラブ活動で運動部に入ることができるような状態ではありませんでしたが、中学2年生になる頃から、ほとんどぜんそくもなくなり、元気になってきました。
中1の頃から、同級生とお昼休みにサッカーをすることが日課にはなっていました。
調子の悪いときでも、とりあえずやっていて、途中で抜けるというようなことをしていました。
中2になると、もう雨の日でも、お昼休みはグランドに出てサッカーを毎日しないことには、落ち着かないくらいになっていましたから、かなり元気になっていたのだと思います。
小学生の頃から、もっと体を動かせていたら、もっとサッカーもうまくなったのにと、当時はものすごく思っていました。
やはり、体を小さいときに動かしていることは、体力をつけるという意味では大きいのだと思います。
話が変わりますが、父が亡くなったときのことです。
病院に入っていて、お医者さんからもうあまり長くないと言われてから、最後の1週間は、夜はずっと病院にお願いして付き添わせていただいていました。
その時、よく父の手を握っていたのですが、この父の手が、本当に大きく、また腕も骨が太くてしっかりしていたのです。
長い間、企業の経理や総務といった管理部門でまじめに働いているイメージしか私にはありませんでしたから、こんなに骨太だとは思っていなくて驚いた記憶がありました。
昭和一桁の戦前生まれでしたから、それほど、食べるものも豊かでなく、中学、高校の年のころには、本当に食べるものもあまりない時代を過ごしていたと思います。
それにもかかわらず、私よりも背が低く、細いイメージしかなかったのですが、これだけしっかりとした骨組みだったのかと驚いたことを鮮明に覚えています。
もちろん、遺伝というものがありますから、一概にこうだと言えることはないことは知っています。
しかし、それでも、小さいときに外で走り回ったり、木登りをしたりすることが、体を作るには大切なのだと父から聞かされていましたから、そのことに妙に納得されられた思いがしました。
今の子ども達は、すぐに風邪をひきます。
インフルエンザにも、コロナにもすぐにかかります。
私は今年の5月で、塾・予備校講師生活がちょうど40年になります。
この間、本当にたくさんの子ども達と接してきています。
子ども達が、毎年、どんどん風邪やインフルエンザにかかっていく環境に、40年間もいたのです。
ところが、子ども達がどれだけ風邪やインフルエンザで高熱を出しても、私はかかったことがありません。
インフルエンザの予防接種などしたことがなく、インフルエンザにかかったこともありません。
高熱を出して、授業を休むなど一度もなかったのです。
あれだけ、小さい頃に体が弱かったのに、今では、子ども達の方が圧倒的に風邪をひきやすく、体力もありません。
これは、体が弱かったけれども、その時から、ずっと動けるときは動き回り、中学生・高校生の時は本当にクラブ活動はしていなくても、運動部の友人たちに負けないだけの体力はありました。
特別に運動をしていたわけではありません。
ただ、体育の授業では全力でやっていましたし、友達に誘われれば、運動系は何でもやっていました。
幼少期に動けなかった分、ひたすら動きたかったと、高校生の時に思っていたことを、当時、仲の良かった友人に言っていたようです。
ずいぶん前に、東京大学名誉教授で解剖学者の養老孟司先生に、ご講演をお願いに上がったときに、お話を聞かせていただき、その時に、
「小さい頃に野山を走り回った子ども達は、大人になると体がしっかりとしているから、仕事がきつくてもがんばれる。そういう大人にするためにも、子どもは小さい頃に思い切り遊ばせておかないといけない。」とおっしゃっていらっしゃいました。
本当にそうだなと、自分の体験からも、感じたことを、今でもしっかりと覚えています。
そして、養老先生は、
「脳の体力をつけておかないといけない。友達と野山を走り回ることで、ケガをしたり、ケンカになったりすることで、突然の出来事にも対応できるだけの脳の力がつく。それが、仕事で起こるトラブルに対応できる力をつけている。優秀な人でも、突然の出来事に対応できない人が多くなったのは、こういう経験が少なくなったからだと思う。」
とおっしゃっていました。
私の体験からも、父からも、養老先生のお話からも、小さい頃にいっぱい遊んでおく。
そして、中学生くらいからは、たくさん体も動かし、体力をつけておくことは、社会に出てから、働く上で欠かせないものだと、私は思うのです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
良い1日をお過ごしください。