中学受験と不登校(729)読むことの重要性

読むことの重要性


今日も私のブログにお立ち寄りいただきありがとうございます。

感謝申し上げます。


今年の共通テストの問題を見て、細かい分析は他の専門の先生方にお任せしますが、これを子ども達が読むのは厳しいだろうなと感じました。

なぜなら、全教科を通じて、問題文の文章量がとても多くなっていると思ったからです。



今の子ども達は、動画、音声が主流で、「目で読む」量は圧倒的に減っています。


本を読むことも減っているし、趣味として見るものも、Youtubeなどの動画が多いことは間違いないと思います。


そもそも、人は、「聞く」と「読む」では、基本的には「聞く」方が得意なことが多いはずです。

もちろん、個性、好き嫌い、それぞれありますから、あくまで、基本的には、ということなのです。

これは、当然のことで、元々、「言葉」というのは、最初は音声しかありませんでした。


人も動物です。


鳥のさえずり、イルカの鳴き声、犬が吠えるのも猫が鳴くのも、すべて「言葉」として考えることができます。


動物が「文字」を持たないとの同じで、人も最初は「文字」などなく、すべて「音声」で思いを伝えていたはずです。

それが、言葉となってからも、それでも、「音声」として口で話して、耳で聞くということをやっていたわけです。

それが、やがて象形文字や甲骨文字、楔形(くさびがた)文字として、「文字」によって伝えるということが始っていくことになります。



こうして考えてみても、人は、明らかに声という「音声」によって、伝えることが得意なので、文字を「読む」よりも「聞く」ことの方が、人類の歴史の中では長いのですから、その方が得意で当たり前なのです。



ところが、共通テストを見てみると、明らかに文字を「読む」量がものすごく多いのです。


国語で約25,500文字、英語のリーディングでは約5,600単語もあるのです。


受験生の平均読書スピードは、日本語の場合は、1分間に500文字、英語の場合は1分間に75単語と言われています。


それで計算をしてみると、国語の場合、試験時間が90分なのに対して、問題文を読むだけで51分かかることになります。

それでは、問題を考える時間は39分しかありません。

国語の小問数は38ですから、1問1分かけることはできないとすると、余程、文章を1回で理解する力がなければ、最後まで解くことはできないことは、明らかです。


英語では、リーディングの試験時間が80分なのに対して、問題文を読むだけで75分近くかかってしまうことになります。

それでは、問題を解くためには5分しか時間がありません。



ということは、とにかく、読むということをある程度のスピードでやらなければいけないことになります。


ところが、日頃から、勉強するのも映像教材を見ることが多く、文字を「読む」ことが少なくなっているために、テストになって問題文を読目と言われても、読むスピードは早くはできません。


これでは、便利で理解しやすくなったと言って映像教材を使うことは、かえってできなくしてしまっていると言っても過言ではないと思うのです。


それよりも、小さい頃から文章を読む、本を読むことに慣れている子ども達と、そうでない子ども達では、圧倒的な差になってしまうことも、十分に考えられます。

実は、大学に行けば、論文や書籍を読む機会が、ものすごく増えます。



ところが、大学入学までほとんど本を読まない学生もいますから、それでは、大学で学ぶことが難しいのは当然です。


ですから、共通テストで、国語や英語だけでなく、他の教科でも問題文の文章量が増えているのは、これくらいの文章は読めるようにならないと、大学生になってもらっては困る、という大学入試センター、もっと言えば、文部科学省の考えだとも思えるのです。


大学生になる以上、「これくらいの問題文の量は、すらすらと読み、内容を把握し、問題を解くことができる」
ことが当たり前だと言われているのと同じだと、私は思いました。


付け焼刃ではどうしようもない、問題を「読む」力をつけるためには、小さい頃から、読書に親しみ、文章を「読む」ことに慣れておくことは、とても重要なことだと思います。



今日も最後までお読みいただきありがとうございました。

今日も良い1日をお過ごしください。

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