中学受験と不登校(718)子どもが望む受験か?

子どもが望む受験か?
今日も私のブログにお立ち寄りいただき、ありがとうございます。
感謝申し上げます。
今年の受験シーズンは始まったばかりです。
関西では、中学受験は後半戦に入りましたが、まだ、関東では埼玉、千葉が始まり、これから東京・神奈川と続いていきます。
大学受験は、昨年から始まっていますが、共通テストが終わり、これから、私立大学の一般入試が始まります。
高校受験は2月からで最後の追い込みに入ったところでしょう。
こうして、寒い時期に受験生はこれまでの力を発揮するべく、入試に臨んでいます。
ところで、自分で考えて受験をしている大学受験はもちろんなのですが、小学生、中学生が「受験する」ことで得られることは何かを考えたことがありますか?
ここでは、高校受験と中学受験では、かなり性格がことなるので、中学受験に絞って考えてみます。
受験は、基本的には「本来は必要のないもの」です。
大学受験は自分がさらに学びたいと思い、必要があるから受験します。
高校受験も同じです。
98%の子どもが進学するからといっても、高校は義務教育ではありません。
あくまで子ども本人が高校に行きたいから受験するのです。
中学受験に至っては、中学が義務教育なので、本来なら最も必要のないものなのです。
国が用意した公立中学校よりも、国立・私立中学校への進学を希望するというのですから、あくまで、子ども本人とご家族が望むだけのことです。
どの受験であっても、基本的には、本来必要のないものであり、あくまで、子どもとご家族が望んだものであることが大前提になります。
なぜ、ここで、子どもが望んだものであることを強調しているかというと、望んだものでないとしたら、それは得られるものなどないからです。
極端な話になりますが、これは、通うのは子どもですから、子どもが望まない受験など、あるはずもありませんし、あってはならないと私は強く思っています。
ご家族が望むものであることはあるでしょう。
それは、ご家族が、親として子供の将来が少しでも明るいものになることを願って、中学受験をして欲しいと望むことは、十二分に理解できます。
それは、親としての当然の願いであることは、よくわかっています。
そうだとしても、子どもが中学受験を望むというのは、外せない問題です。
「小学生の子どもは、放っておいたら遊ぶだけ。何もわからないのに中学受験を望むなんてことはないし、それでは将来、困ることになる。子どものことに責任が取れるのは親だけなんだから、受験については親が決める!」
とあるお父様に怒鳴りつけられたことがあります。
このことは、忘れもしません。
子どものことに責任が取れるのは親ということについては、反論の余地はありません。
しかし、だからと言って、子どもの思いも聞かず、子どもは何もわからないのだから、親の言うことに従っていれば良いというのは、いくら何でも言いすぎですし、やりすぎです。
でも、大なり小なり、これが出てくるのが中学受験です。
小学生だから、親の言うことを聞いてしまうので、より一層、子どもの気持ちが聞かれることなく、受験に向かってしまうことがあるのです。
関西なら浜学園、日能研、馬渕教室、希学園、能開センターなど、関東では、早稲田アカデミー、四谷大塚、日能研、SAPIXなどに通わせようとするのは、中学受験で少しでも難関校への受験を、ご家族が求めるからであることは、間違いないと思います。
少しでも難しい学校に行かせたいと思うのが、親心でしょう。
しかし、子どもがそのことを望むのか、ということをお考えはいただきたいのです。
子どもに説明もして、理解をしてもらわないといけない、そして、子どもも同じように望むものでなければならないと、私は思っています。
なぜなら、ここで、ご家族がどれだけ難しい中学に行って欲しいと思っても、子ども自身は、そんなにも思っていなけれな、子どもの行動はそれなりになってしまいます。
そうなると、ご家族の思いは聞き届けられないことになり、ご家族はだんだんフラストレーションがたまります。
そして、子どもに勉強を強要するようになっていくのです。
強要されるようになり、塾での学習内容も難しくなり、宿題も増えてくる頃になると、子ども達はさらに勉強したくない気持ちが強くなり、勉強しなくなるか、ごまかすようになっていきます。
こうなると、ご家族が願った「難関校の受験、合格」は夢のまた夢になってしまいます。
それどころか、どんどん勉強をしようとしなくなっていきます。
ついには、勉強を嫌いになってしまいます。
こんなことは、わかりきったことではあるのですが、毎年、こういう子ども達がたくさん出てくることも、紛れもない事実です。
これは塾業界の責任でもありますが、ご家族の責任も大きいのです。
こうなることも、「親としての責任」だと覚悟して欲しいのです。
こんなことになるために、勉強をさせよう、中学受験させようとご家族が思ったのではないと思います。
この責任を、親としてどうとっていくのかは、思春期にさしかかるので、難しい部分を抱えることも、よくよく知っておいて欲しいと思います。
長い間、受験する子ども達と同時に、このようにして苦しんだ子ども達の対応もしてきて、切に願うばかりです。
今日も最後までお読みいただきありがとうございました。
今日も良い1日をお過ごしください。