中学受験と不登校(703)不登校は大人の問題


不登校は大人の問題


令和6年の大晦日になりました。


今年もいろいろと考えさせられました。

その中で、今年、子育てや教育について、感じたかことをお話ししています。


今年最後は不登校の問題についてです。


不登校の子ども達が増え続けています。


そこで、お子さんが不登校になった経験のあるお母さんや、ご自身が不登校の経験のあるお母さん方、今、まさに子どもが不登校になっていて、悩んでいるお母さんのご相談を聞かれる方が増えてきました。


また、不登校の子どもを持つ親の会や親同士のつながりも、どんどん増えてきています。

フリースクールもどんどん増え、かなりの数になってきました。


学校や行政と民間団体が協力して、不登校の子ども達の対応をすることも増えてきています。

多様な学びの場として、いろいろな民間団体が出てきていることは、子ども達にとってはすばらしいことです。



ところが一方で、日本の経済がデフレから少しずつインフレになり、物価が上がり、生活費用が高騰し始めていることが、相談を聞かれる方や民間団体にまともに影響していると感じています。


無償に近い公立学校の不登校の子どもが増えるのに、相談や民間団体に通えば、費用がかかるが、その費用を出すことが難しくなってしまってきていることは、相談を受ける方や民間団体の運営には大きな問題です。


自分の時間も労力もかかるので、相談を無料で受けることはできません。

フリースクールなどにしても、無料でできるわけではありません。

そうすると、運営するためには、一定の費用をいただかないといけません。


だからといって、不登校の子ども達は、文部科学省の発表の4%よりも実際には多く、子ども達の中の10%くらいの人数だと思います。


その中で、動けない子ども達、まだ相談にも行けないお母さん方のことを考えると、相談できたり、民間団体に通えるのは、良くても5%くらいでしょう。


その5%の方が来てくださって、費用をいただくとなると、人数が少ないために、どうしても高くしなければ運営ができません。


相談費用、フリースクールに通う費用がどうしても高くなってしまうのです。

そうでなければ運営ができないからなのです。



ここに先ほどの物価高がまともに影響するのです。


こういうお金や経済の問題も、実は、子ども達が元気になるためには、考えないといけない問題なのです。


公立学校に行っていれば費用ががからずに教育を受けることができたのに、行かないことで費用が掛かってくるのであれば、当然、家計に影響します。


それだけではありません。


民間団体で「何をするか、何を学ぶか」ということも大きな問題です。

多様な学びの場として、民間団体があることは、とてもいいことなのですが、一方で、学校教育で身に着けることを、学校に行かないことで身に着けられないという問題があります。


学ぶ方法は、学校と違ってもいいと思いますし、学校で学ぶことができるコミュニケーション力などは、どこででも学ぶことはできるでしょう。



ですから、総合的に見れば、学校以外の場で学ぶことはできる「はず」なのです。



ところが、学校のようにすべてを網羅できるかというと、それは難しいのが現状です。



その必要性があるかどうか、という議論がありますが、今はその点についてはあえて横に置いておきます。


学校は、子ども達が社会で活躍するために必要なことを、すべて提供できているかというと、そんなことはもちろんありません。


ありませんが、じゃあ、民間団体に通ったり、ご家庭や地域社会で学ぶことで同じことをできるかというと、理屈ではできますが、実際には難しいと思います。



ですので、相談に行かれたり、民間団体に行くことで、学校の代わりということが言えるかどうかということについては、簡単な話ではないと思います。



私にとっては、この学校の代わりができるかということを、ものすごく考えさせられた1年でした。

「学校」とは何なのか、学校で行われている「教育」とはどのようなものなのか、ということを考えない限り、「学校の代わり」などと簡単には言えないからです。


そう考えるようになった結果、学校教育がどのように変わっていくのかも、考えざるを得ず、また、我が国がどのようになっていくのかということを考えることが、子ども達にかかわるためには、どうしても必要なことだと痛感した一年でもありました。

なぜなら、子ども達が30年後、社会を背負って生きていくのです。

30年後の日本の社会の第一線で活躍してないといけないのは、今の小学生から高校生までなのです。


その子ども達が、どのようなことを身に着けておなければいけないかということが、学校教育が行っていくことだと、私は思っています。



民間は、その学校教育と同じことをする必要はありません。


しかし、学校教育が目指すものを理解し、子ども達の30年後を考えないといけないことは、間違いありません。


それは、子ども達の将来に対して、我が国のすべての大人が背負う責任だと、私は思っています。

なぜなら、私たちも子ども時代があり、そのときに大人がどうしたかが、今の大人をつくり、その大人が作ったのが、我が国の現状だからです。


子ども達の将来のために、学校であろうと、民間であろうと、子どもがいてもいなくても、すべての大人が子どもたち全員に対して、大きな責任を負っているのだという自覚が必要なのだと思いました。



そういう意味でも、不登校の問題は、大人の問題だと強く思った一年でした。



今日も最後までお読みいただきありがとうございました。

今年一年、本当にありがとうございました。

今日も良い1日をお過ごしください。

そして、どうぞ良いお年をお迎えください。

最新の投稿

サービス

  • 不登校・発達相談・教育カウンセリング

    30代から50代のシングルマザーや起業家など、女性の方を中心に、心の深い部分にある「心の傷」を癒し、自信を持って子育てやビジネスができるようにしていきます。不登校、発達障害のお子さんを持つ方のご相談もお聞きします。

  • 日本を学ぶ(募集停止中)

    我が国「日本」とはどのような国なのか、学校では学べない本当の我が国の歴史はどのようなものがあるのか、今の「日本」は一体、何がどうなっているのか、ということについて、さまざまな教材を使って学んでいきます。

  • 自ら学ぶための「学び方相談」、教育コンサルティング

    「受験」という目標だけでなく、日頃からどのように学ぶことで、より効率よく学べるのか、自分の目標に向かってどのように学ぶのが良いのかをお伝えしていきます。一人ひとりに個別にご相談を伺います。