中学受験と不登校(679)学習以前の問題(13)


学習以前の問題(13)
~お母さんの本音と建前で~


今日も私のブログにお越しいただきありがとうございます。

感謝申し上げます。


塾で学ぶ以前に考えないといけない問題について、ずっとお話ししてきています。


受験して欲しい、合格して通ってほしいとお母さんが思う私立中学で、お子さんに受けさせたいと望む教育を行っていますか?

偏差値や大学合格実績で受験する私立中学を選んでいませんか?

その学校は、「どんな人になって欲しいですか?」というお母さんの思いを、満足することができる学校ですか?



子ども達に「本当はどうしたい?」と聞いて、心から中学受験をしたいと思っている子どももいます。

しかし、その数はそれほど多いとも思えません。

どちらかと言えば、ご家族の思いであることの方が多いでしょう。


小学生でそこまで深く自分のことを考えられなくても、仕方がないことですし、ご家族がお子さんのことを考えて、中学受験させたいと思うことは、決して悪いことではありません。


前回、お伝えした通り、その私立中学・高校での6年間が、ご家族がお子さんになって欲しい人に育ててくれる教育を行う学校であるかどうか、ということであれば、大いに受験勉強をがんばってもらえばいいと思います。


思春期の6年間は、どういう大人になっていくかという意味では、とても大切な6年間です。

この6年間で人として基礎が確立すると言ってもいいかもしれません。

この大事な時をどのように過ごすかということは、とても大切だと思います。


私立中学に合格すれば、また、そこから競争が始まります。

同じくらいの学力で合格してきているのですから、当然、その競争は今までよりも、ずっと厳しい競争になります。


だからこそ、その学校で行われる教育の中身が大切です。

周りの友達と、切磋琢磨して、良い意味での競争をしながら、人としてどう在るかということを身に着けられれば、それは素晴らしいと思います。



ところが、子どもが受験を望んでいないときに、無理に受験させたり、子どもが別の中学を望んでいるのに、ご家族が受けて欲しい中学を受けさせたりすることが、実際の中学受験ではよくあります。

しかも、第二志望、第三志望校では、本人もよくわからない、よく知らない学校であることもあります。

子どもがこんな学校を受けたくないと思っても、「あなたのためだから」と言って、受験させることが起こります。

こうなると、最も良くない中学受験になってしまいます。

子ども本人は望んでおらず、ご家族が望んでいる私立中学を受験「させる」のです。



この時に、「あなたのためだから」という、この言葉が最も言ってはいけない言葉なのです。

この「建前」で子どもの思いを封じ込めて、親の受験させたという「本音」で受験するという話を進めていくことは、どんなことがあっても、やってはいけないことです。

なぜなら、子どもは「自分の思いは受け入れられない」とはっきりと感じ取るからです。


こうして、中学受験を押し進めると、子ども達は、そんなにがんばろうとしませんから、「勉強しなさい、塾の宿題をしなさい!」と無理に勉強させることになります。

子ども達は、できるだけしたくないので、やったふりをすることになります。

それで成績が上がるはずもありません。


それでも、塾の授業である程度理解もできるこどもは、そこそこの成績にはなるでしょう。

そうすると、ご家族もワンランク上の偏差値の学校を受験して欲しいという欲が出てきます。

もう、子どもは逆らう気もありませんから、そこを受験していくことになり、それに向けて、小学生最後の時間を、ひたすら中学受験に向けて、いやいやでも努力を続けることになります。

結果、見事に合格できれば、本人も喜ぶのですが、合格してから多くの子どもは勉強する気持ちは薄れ、中学の中での競争には勝てず、厳しい成績になっていきます。


一方、不合格になった子どもは、第二志望か第三志望校に合格するか、すべての学校に不合格になり、ショックを受け、何もしなくなってしまう子どもも出てきます。



どちらの場合も、その後は、思春期に入り、親の言うこと、要するに「建前」に対して、反抗的になり、全く言うことを聞かなくなってしまいます。

それが子ども達の「本音」なのです。


私は「親の言うようにしたら、ただ、しんどい勉強をさせられて、結果的には中学に入っても、何も楽しいことがない」と、子ども達から本当にたくさん聞いてきました。

このような中学受験をさせてはいけないのです。


ご家族が、単に大学実績や偏差値で学校選びをするのではなく、本当に子どもにどのような6年間を送って欲しいのか、どのような人になって欲しいのか、それを実現してくれる学校なのか、ということが学校選びの基準でないと、子ども達が辛い6年間を過ごすことになってしまいます。

そこには、もちろん、不合格になった場合のことも考えることが必要なことは、言うまでもありません。


そういう中学受験にして欲しいと、辛い中学を過ごす子ども達とたくさん出会ってきて、願わずにはいられません。


今日も最後までお読みいただきありがとうございました。

今日も良い1日をお過ごしください。

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