中学受験と不登校(673)学習以前の問題(7)

学習以前の問題(7)
~やらないといけない環境を作る~
今日も私のブログにお越しいただきありがとうございます。
感謝申し上げます。
塾に来てくれる子ども達の「やる気が出ないと勉強できない」という問題についてお話しています。
前回、「とにかく動く」ことで、学習を始めることができることをお話ししました。
現状維持バイアスにより、「今のやっていない状況を維持しようとする」脳の働きを、ほんのちょっと、テキストをカバンから取り出す、ノートを開くだけの行動をすることで動き出せるとお話ししました。
なかなか学習を始められない子どもが、学習を始めるには、
①とりあえず動く
②やらないといけない環境がある
③習慣的にする
の3つが大切なことは、以前、お話しした通りです。
この3つの中で、一番難しいのが、「②やらないといけない環境がある」ことなのです。
「やらないといけない環境」という言葉から、すぐに「勉強しなさいと言う」ことだと勘違いされる方がいらっしゃるのですが、そうではありません。
それは、子ども達にとっては、ただ鬱陶しいだけで、よけいに「やらない環境」になってしまいます。
勉強しろ、勉強しろと言えば言うほど、やらないものだということは、お母さんなら、ご理解いただけると思います。
中学生にもなれば、言えば「うるさい」と言い返され、高校生にもなれば無視されることも出てきます。
中学受験のために勉強して欲しいと思わらるのであれば、どのようにして、学習をしないといけない環境を作ることができるかを考えてみて欲しいと思います。
塾の自習室があれば、塾の自習室に行かせるのは、一つの方法です。
もちろん、塾の自習室で、周りの友達が真剣に学習していることが条件です。
では、ご自宅でどうすれば、「やらないといけない環境」になるでしょうか。
これは、意外と簡単なようで難しいのです。
塾の宿題を、お父さんやお母さんがみてあげる、というのは、自分でやっていませんから、「やらないといけない環境」ではなく「やらされている環境」でしかありません。
やる気にたよらない方法と言っても、子どもが「やらされている」と感じることをやってしまっては、もう、子どもは学習を自分からしようとはしなくなります。
やる気に頼るどころか、「どうせやらされるんだから・・・」とあえて学習をしようとしなくなります。
だから、「勉強しろ」と言ったり、お父さん、お母さんが宿題をやらせるために横について見るということが、子どもの学習意欲を削いでしまうのです。
今、考えないといけないことは、やる気に頼らずに学習するために
「(自分が)やらないといけない(と思える)環境」
をどのように作るかなのです。
では、どうしたらいいかということです。
一番良いと私が考えているのは、
「夜7時30分になったら、家族全員、学習する時間」
というように、家族全員がそれぞれのしないといけない学習をする時間を作って、リビングで家族全員で学習するようにすることです。
そうすることで、この時間になると、お父さんもお母さんも、本を読んだり、英語の勉強をしたりしていると、子ども達も、この時間だけは学習をしないといけないと思うようになります。
お父さん、お母さんが真剣に学んでいる姿を見せることで、子どもが大人になっても学習するのだと、学習することへの抵抗感が減り、学習をしようとするようになります。
やらないといけない環境になり、また、③「(学習を)習慣的にする」こともできるのです。
お父さん、お母さんが家に帰ってきて、夜、疲れたからとだらだらしているのに、子どもにだけ学習しなさいというのは、子どもには、理不尽に感じられるのです。
ここでお父さん、お母さんが、「私はもう大人だから勉強しなくていい」などと言ってしまうと、子どももやりたくないのですから、自分は何もしないのに「僕ばっかり、私ばっかりに勉強しろって言わないで!」と思ってしまいます。
こうなると「やる気がない」と言ってやらないようになり、ご家族が「勉強しなさい!」と言う悪循環になってしまいます。
子どもも疲れています。
お父さん、お母さんとは、当然、疲れの度合いも違います。
それでも、ご家族も疲れていても学習をすることで、家族みんなが学習するようになると、自然と子どもは学習をするようになります。
だからこそ、家族全員で学習する時間を作ることが、子どもが自然とやらないといけない環境だと感じて、自分からやろうとして、かつ、習慣的にやるようになるのです。
今日も最後までお読みいただきありがとうございました。
今日も良い1日をお過ごしくださ