中学受験と不登校(667)学習以前の問題(1)

学習以前の問題(1)
今日も私のブログにお越しいただきありがとうございます。
感謝申し上げます。
来年で、塾・予備校で教えて40年になります。
そして、不登校の子ども達と一緒に学ぶようになって35年になります。
早いもので、もう、そんなにもなるのだと感慨深いものがあります
この間、8000人以上の子ども達と、そのご家族と共に考えてきました。
お子さんが、もう、社会人なって結婚して、お孫さんもできていらっしゃるのに、未だに私のこの文章を毎日、お読みいただき、時折、メールで感想をいただくご家族もいらっしゃいます。
これだけの子ども達とご家族に、私は育てていただきました。
だから、ここまでお仕事をさせていただき、今もこうして、育てていただいたことを振り返り、文章を書かせていただいています。
出会った子ども達、ご家族の方には、本当に感謝しかありません。
この場をお借りして、心よりお礼申し上げます。
本当にありがとうございます。
さて、塾講師として、塾に来てくれる子ども達には、学習内容を教えてきたのですが、教科の内容の前の段階から教えないといけないことがあります。
・学習に気持ちが向かない
・悩み事がある
・集中できない
・すぐに気が散る
・落ち着かない
など
挙げだすときりがないくらいに出てきます。
大人が考えると大したことがないことも、子どもにとっては、ものすごく大きなことのように感じていることもあります。
特に中学生、高校生になると、こういう悩みがたくさん出てきます。
ある程度、自分のことがわかるようになり、そのことに気が向いてしまい、学習どころではないと感じている子どももいます。
小学生でもこういうことはあるのです。
しかし、小学生の場合、ご家族に話すことで楽になっていることもあるので、それほど私が感じないことが多いかもしれません。
中学受験をしようとする子ども達の中には、ご家族が教育熱心で、期待も大きく、つきっきりで勉強を見てもらうようになると、もう、悩みを打ち明けるなんて到底できません。
とにかく勉強、勉強になり、「そんなことは後回しでいい」と言われてしまうからです。
こういう小学生や中学生、高校生を教えてきて、「塾で学習する前の問題」を解決できないと、学習ができる状態でなく、そのことに触れずに、成績を上げることは、ものすごく難しいことがあります。
「そんなことは、塾のすることではない」と、大手進学塾で教えているときは、よく上司から言われました。
非効率で、無駄が多く、時間を取られるだけだというのが上司や塾長の言い分でした。
その時に、私はいつも「成績を上げることは、塾の仕事ではないのですか?」と言い返していました。
私からしたら、「これほど効率的で無駄が少なく、成績が簡単に上がる方法などないのに!」と思うことなのに、そこについては触れずに、学習だけを教えて、その子どもの成績が上がらないことの方が、塾として問題なのではないかと、ずっと思っていました。
しかも、多くの場合、成績が上がらないことは、子どもの責任になっています。
というよりも、成績が上がらないことを子どもの責任に、塾がしています。
わかっていながら、そのようなことは、私にはできません。
ですから、子ども達とトコトン向き合って、そこで一緒に考えて、子ども達がのびのびと学習していけるようにしてきたつもりです。
今日の写真は、個別指導の時に、子どもの状況をホワイトボードに書き出しながら、子どもの話を聞いていたときのものです。
この日の授業は、これだけで終わってしまい、何も教科学習をしていません。
それでも、このことの方がはるかに大切だと、子どももわかっているので、ずっと話をしていたのです。
実際のところは、私がやってきたことが、すべての子どもにできているわけではありませんでした。
また、どこかで、それは自己満足でしかないとわかっています。
それでも、「学習の前の問題」「学習の前に考えないといけないこと」を、少しでも子ども達と一緒に考え、子ども達が抱えている悩みや問題が、少しでも解決するようにしていくことで、子ども達の心が軽くなり、学習に向かうことで成績が上がるのであれば、私は子ども達の悩みや問題、困りごとを聴く必要があると思っています。
それが、子ども達が自分自身で努力をして、成績を上げるために必要な最大の条件だと思っているからです。
今日も最後までお読みいただきありがとうございました。
今日も良い1日をお過ごしください。