中学受験と不登校(665)私立中学での不登校(9)

私立中学での不登校(9)
~私立中学への復帰できる条件2~
今日も私のブログにお越しいただきありがとうございます。
感謝申し上げます。
先日より、私立中学校での不登校の子どものことを考えています。
合格して通っていた私立中学校を不登校になってしまい、そこからふっきできるかどうかというお話を前回にさせていただきました。
私立中学に復帰したいと本気で思うのであれば、少なくても、
1)どんなに辛くても、学校に通う方がやはり良い
2)学習を嫌がらない
3)冷静で無理をしない
4)勉強だけでは、復帰できないことを自覚している
これだけのことが必要なものだと、私のところに来てくれた子ども達は、私に見せてくれた共通点でした。
ところが、これだけでもうまくいかないのです。
これだけのことを理解し、本当に何としても絶対に学校復帰をする覚悟を持ってしても、私立中学への復帰は、まだ、難しいのです。
なぜならば、
5)学習の遅れを取り戻す
必要があるからです。
勉強を嫌がらず、懸命に努力をするのですが、みんなと同じ内容、範囲まで学習したくらいでは、学校のスピードにすぐになれるわけではありません。
そのために、他の子どもと同じ範囲までやっていたのでは、すぐにおいていかれて、わからなくなってしまいます。
そうすると、学校復帰までに、他の子ども達よりも先の内容まで、学習をしておかなければなりません。
ただでさえ遅れているのに、さらに余分にやるには、不登校の間から、フルスピードで学習をしていく必要があります。
これが、出来るかどうかが大きなポイントになります。
それでも、まだ、必要なことがあります。
これは、子ども本人の問題ではありません。
ご家族の覚悟です。
私立中学で不登校になった場合、学校復帰はあきらめるくらいの覚悟が必要であることは、お伝えしてきました。
ところが、子ども達が懸命の努力の後、学校復帰をしたら、そのときは、無理しなくていいと言っていたのにもかかわらず、少し時間が経ち、定期テストや実力テストがあり、その結果が悪いと、
「もう少しがんばったら?」
という、思い切り余計な一言を言ってしまうのです。
この一言がどれだけ子ども達の心を傷つけるか、考えていただきたいのです。
この一言で、関西の最難関中学に復帰できたのに、再び通えなくなり、その学校を辞め、公立中学に転向し、そこにはもちろん通えず、高校は通信制高校に進学し、大学受験はあきらめ、専門学校に進学した子どもがいました。
そして、その子どもは、今は、実家を離れ、関東で就職し、お盆にも正月にも実家には帰らない状態になっています。
こうなってしまうくらい、この一言が子ども達を傷つけるのです。
私立中学に復帰しても、ずっと懸命に努力を続け、まだ綱渡りの状態が続いているのにもかかわらず、ご家族が欲を出し、子ども達を叱咤激励してしまえば、子ども達の心は折れてしまいます。
6)ご家族は、もう、学校に復帰しただけで十分と、心から応援するだけ
これ以上の無理はせず、楽しく通っていれば、勉強でギリギリでもいいと、ご家族が思えないのであれば、学校復帰を望まない方が子どものためです。
ご家族に、精神的に追い詰められることほど、辛いことはありません。
私立中学で不登校になる子ども達は、何もしなくても不登校になるかもしれないところに、学習で無理に努力をしてきています。
そのことを、ご理解いただき、心から
「元気で健康で笑顔でいてくれたら、それで十分」
とご家族には思っていただきたいと思います。
これは、私立中学であろうとなかろうと、学校行けない子ども達のご家族皆様に思っていただきたいことなのですが、特に私立中学を不登校になった子どものご家族には、強く、強く肝に銘じていただきたいと思います。
今日も最後までお読みいただきありがとうございました。
今日も良い1日をお過ごしください。