中学受験と不登校(662)私立中学での不登校(6)

私立中学での不登校(6)
~私立中学だったからではない~
今日も私のブログにお越しいただきありがとうございます。
感謝申し上げます。
私立中学校に合格したけれど、通えなくなる子ども達のことを考えています。
これまで、私立中学で進度が早く、ついていくのにたいへんなところを休むなどして、学習でついていけなくなったり、自己肯定感をさらに下げてしまい、自分はダメだと思ったりすることで、学校にいけなくなってしまうことをお話しさせていただきました。
こういうことは、確かに私立中学に特有のことです。
この点が私立中学のしんどいところです。
ところが、では、不登校になった子どもが、「私立中学だから不登校になったのか?」と聞かれると、私は一概にはそうだとは言えないと思っています。
なぜなら、学習の問題であれば、学習をすれば追いつけるのです。
学習の問題からおこる、自己肯定感の低下であれば、学習の問題が解決すれば、改善するのは間違いありません。
ということは、「私立中学で不登校になる」子どもは、「公立中学でも不登校になる」可能性はあったと思います。
あくまで可能性の問題ですから、それはわかりません。
ただ、「私立中学だから不登校になった」とご家族はお考えにならない方がよいと思っています。
そうお考えになってしまうと、子ども達の本当の苦しさを見誤ってしまいます。
学校というものそのものが、あわない子ども達が、たまたま私立中学に合格して、通ってみたけれど通えなかったと考えることが、何よりも大切だと思うのです。
ご家族は、本質を見ることを忘れないでいただきたいのです。
私立中学であろうと、公立中学であろうと、「子どもが学校にいけない」ことには、学習ももちろんありますが、それ以外にも何らかの原因があります。
その原因を考えてもわからないことがほとんどで、原因を解決したら子どもが再び登校できるとお考えにならないことです。
まず、大切なのは、お子さんにとって、ご自宅が安心・安全の場になること、お母様がお子さんの心の安全基地にしっかりとなっていることです。
今、私がご相談をお受けしているご家庭の80%が、子どもがお母さんに本音を言えないで苦しんでいます。
「助けて」「辛い」「もう苦しくて苦しくておかしくなりそう」と私には言えるのですが、「お母さんには絶対に言いたくない」と言うのです。
これは、間違いなく、ご自宅・ご家庭が子どもの安心安全の場になっていない、お母様がお子さんの心の安全基地になっていないのです。
学校にいけない、友達にも顔を合わせられない、でも、家も辛い、非行にもはしれないとなると、もう生きていたくないと考えるのは、誰が考えてもわかることです。
こうなってしまっては、どうすることもできません。
私立中学、特に、難関私立中学に合格して通うようになり、その学校で不登校になった子ども達のご家族からは、学校に復帰するためにはどうしたらいいか、というご相談をよくいただきます。
それは、子ども達が本当に心から望んだ場合だけしか、考えることは難しいのが、現状です。
そのことを十分にご理解いただきたいと思います。
お子さんの心の状態を落ち着けるために、お母様に困っている今、辛いと本音が言える状態になるように、そして、家の中が安心・安全の場になるように、お考えいただくことが、学校復帰を考える前に、まず、しなければならないことです。
今日も最後までお読みいただきありがとうございました。
今日も良い1日をお過ごしください。