中学受験と不登校(660)私立中学での不登校(4)



私立中学での不登校(4)
~学習の遅れがダメ押しになる~


今日も私のブログにお越しいただきありがとうございます。

いつもありがとうございます。
感謝申し上げます。


私立中学校に合格したけれど、通えなくなる子ども達のことを考えています。


前回は「学習スピードが速い」ことをお話をさせていただきました。



これまで、私立中学で不登校になった子ども達が、なぜ、不登校になったのか、そのきっかけを聞いてみたら、「風邪をひいて休んだら、そのあと行きにくかった」ということをよく言ってくれます。

風邪を引いたくらいで、と思われるかもしれません。


ところが、風邪をひいて熱を出して2,3日やすんだら、もう、学校の授業にはついていけない授業が出てきます。

私立中学の学習スピードが速く、休んだらわからなくなるからなのです。


それだけではありません。

こういう子ども達に、丁寧に話をしていると、「実は、もうついていくだけで精一杯で、しんどくて、しんどくてたいへんでした」と話してくれるようになります。


実は、風邪をひいて寝込む前から、かなりの負担感を感じていて、何とかついて行かないといけないと思いながら、まじめな子どもほど、精神的に追い詰められていて、ぎりぎりの状態で学校に通っていたのです。


まだ、あります。


ここまで、無理をしてぎりぎりの状態でがんばってきたのも、自分でも合格できたのだからついていけるはずだと思いたい気持ちがあり、がんばらないと自分を奮い立たせてきたところもあります。

それは、ものすごくエネルギーがいることであり、しんどいことなのです。



さらに、そうするもう一つの理由は、ご家族の期待に応えたい思いです。

第一志望であっても、第二志望であっても、喜んでくれて、これから頑張って欲しいとお父様、お母様が思っていることをひしひしと感じているからです。

例えば、ご家族がご実家、知り合いの方などに、本人の通っている学校を聞かれて、答えているような場に、本人がいれば、なおさらです。


ご家族の期待に応えたい、だけど、苦しい、しんどい。

がんばらないと・・・。


懸命に努力を続けてきたのですが、風邪をひいてしまい「3日も」休んでしまったときに、心折れてしまうのです。


こういう子どもは、とても「いい子」です。


優しくて、穏やかで、小学校時代も先生の評価も高い子どもが多いことは、私の経験上も間違いありませんし、私立中学校の先生からも、小学校の先生からもよくお聞きします。



本当の問題は、この私立中学校で学校に行けないことではありません。

もっと以前から、こういう子ども達は、無理をしてきていることに、ご家族も周りの大人も気が付いていないということなのです。


中学受験をする前から、「いい子」でいたのですから、その頃から、自分を出す、自分の意見を表現する、伝えることができないでいる子どもがほとんどです。



一番、自分の思いを言えない相手が「親」なのです。

苦しい、辛い、困った、助けて

これが言えない子ども達がどれだけ多いことか!

自分が本当に精神的に追い詰められている時に、これを言えない子ども達の辛さに、ご家族が気づかないのです。



これが言えない小学生時代を送ってきて、私立中学になっても、何とか綱渡りのように、努力を続けてきたのですが、その思いが、体調を崩しただけで、一気に限界を超えてしまったのです。


これは、私立中学だから起こったことで、公立中学で今までと同じように過ごしていれば、限界がくるまでには、もう少し時間がかかっただろうと思います。



どちらにしても、起こりうることなのですが、私立中学で不登校になる子ども達は、中学受験時から、すでに、限界だったことが考えられます。

中学受験大手進学塾が子ども達を無意識に追い詰め、無意識にご家族がそれにのっかってしまい、二重に追い詰めてきた結果です。



しかし、根本的な問題は、もっと小さいときからの「いい子」に育ってしまったことであると、私は考えています。


そのためには、小さいころ、思い切り体も動かし、遊び、そして、しっかりと本人の話を聞いてあげることが必要だったのではないかと思います。

子どもが本音で話せる関係を作れなかったことが、根本の問題だったのではないかと思います。



私立中学を不登校になったことをきっかけに、本音で話せるようになったときの、子ども達の本当に安心した穏やかな顔を見るたびに、この子が不登校になってよかったと思わずにはいられないのです。



今日も最後までお読みいただきありがとうございました。

今日も良い1日をお過ごしください。

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