中学受験と不登校(659)私立中学での不登校(3)

私立中学での不登校(3)
~学習スピードは速い~
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私立中学校に合格したけれど、通えなくなる子ども達のことを考えています。
前回は「合格したらもっと競争になる」ことをお話をさせていただきました。
私立中学の多くが高校との6年一貫校として、カリキュラムを組み、システム化しています。
私立大学の附属で、大半の子ども達がその大学に内部進学していく学校の場合は、大学受験を意識しなくていいので、カリキュラムも無理なく、それほど進度も早くありません。
ところが、大学受験で難しい大学への合格者を多数出すような私立6年一貫校の場合、大学受験のためのカリキュラムになっています。
文部科学省の学習指導要領にある「探求」ということよりも、まずは、いかに大学受験で合格させるかということを重視している学校が多いのは否めません。
現在の学習指導要領では、どうしても高校内容のボリュームが多いため、中学内容を2年間で学習をして、中学3年生からは高校内容を学習する学校がほとんどです。
中には、中学内容を1年間から1年半くらいで終わって、遅くとも中学2年生の後半から高校内容になる私立の学校もあります。
そのくらいの学習進度で授業が進行していきます。
そのスピードについていける子どもが合格しています。
ところが、前回お話しした通り、合格した子ども達は、厳しい中学受験がやっと終わり、ちょっと休憩したいところです。
それにもかかわらず、授業はガンガン進まれて、しかも、みんな同じくらいの学力で、すごく勉強ができる子どももいるとなると、もう、気を抜くことなど、到底できません。
子ども達にとっては、息つく暇もなく、子どもらしさも、遊びたい気持ちも捨て、努力を続けることを要求されることになります。
中学受験塾で、懸命に努力を続けてきた子ども達の中には、合格を目標にして、「合格するまで、そこまで、そこまで・・・」と自分が辛い、苦しいと感じていても、その気持ちに蓋をして、努力を続けてきた子どももいます。
そういう子ども達は、合格して喜んだのも束の間、また、走り続けないといけないことに、呆然として何もできず、燃え尽き症候群のようになってしまって、動けなくなります。
そうなると、学校に通うことは、ただ辛いだけ、怖いだけになってしまうのです。
これは、私立中学校に対しての不登校というよりは、実は受験前に、かなりの無理があり、その時点で本人もご家族も、無理をしちえること気が付かないのです。
なぜなら、こういう子ども達は、勉強がある程度でき、合格圏にいたはずだからです。
しかも、「合格を目標」に頑張り続けたのです。
合格の向こう側に、「楽しい学校生活がある」と信じていたのですが、再び全力で努力を続けないといけないなどとは、思ってもいなかったために、「もう無理」となってしまうのです。
さらに、こういう子ども達は、「いい子」のことが多く、人と競争するとか、争うとかが苦手な子ども達なのです。
だからこそ、私立中学に「合格する」ことを目標にしてはいけなかったのです。
また、自分なりの学習方法を見つけ、合格後も、自分なりに、慌てず騒がず、やっていける力を身に着けておく必要があったのです。
私立中学合格後に身に着けることができないこともないのですが、それは、クラスでも上位にいる余裕がある場合に限られます。
もう、そのような心の余裕などない子ども達に、中学合格後に身に着ける余裕などどこにもないのです。
だからこそ、私立中学に合格しても不登校になってしまうことを避けるために、どのように中学受験をするか、大手進学塾の言うことだけを信じて、その中で競争するだけでは、うまくいかないことがあることは、知っておいていただかないといけないと、強く思います。
今日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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