中学受験と不登校(607)価値観を押し付けるのはなぜ?

価値観を押し付けるのはなぜ?
今日も私のブログにお越しいただきありがとうございます。
とても勉強ができる、塾に通ってくれていた高校生の男の子のお話から、親の価値観を押し付けてはいけないという話をしてきました。
親は、なぜ、自分の価値観をおしつけてしまうのでしょうか?
押し付けているつもりはないと言うお母様も多いのですが、よくよくお聞きして一緒に考えてみると、押し付けていたりするのです。
押し付けている実感はないだけに、やっかいなのですが、こうなることには理由があります。
一つには、子育てのモデルが身近に無いことがあげられます。
自分のすぐ身近に、モデルとなるような子育て中のお母様がいらっしゃれば、その様子を見たり、その方にお聞きしたりできるので、こうしてみよう、いや、こっちの方がいいと思うということを考えられます。
それがないために、自分自身と兄弟姉妹が育ってきたようにしていくことが基準になります。
そのために、自分の中の価値観を中心として考えるしかなくなるのです。
これが、大きな原因です。
それと、もう一つは、自分の育ってきた環境を認めることは、今の自分を肯定できる、要するに自己肯定感を上げることができるからです。
自分と同じようにしていればいいと思えることは、言い換えれば自分を受け入れ、認め、全面的に肯定できるからです。
それは、自分にとっても素晴らしいことだということになりますから、自分の育ってきたようにしていこうとします。
これは、現実的に自分の育ってきた環境、状況が良くても悪くても同じようにします。
そして、もう一つが、失敗をしたくない、という思いです。
これは、中学受験に多く見られるのですが、失敗をしたくない、安心できるようにしたい、という無意識のはたらきです。
一つ目のどうしたらいいかモデルがない、二つ目の自分の育ってきた環境を認め肯定するという二つだけでは不安なのです。
だから、失敗をしたくないと強く思ってしまいます。
テレビドラマにでてくるような、絵に描いたようで、それでいて、ちょっと周りに自慢できそうな家庭にしたい。
そのためには、失敗したくないという思いが強く、子どもにも自分が考えることを強く要求したりすることになります。
やっかいなことは、これら3つとも、あまり自覚なく、無意識に行っていることが多く、ご家族、その中でも、お母様が無意識にしてしまっているために、子どもが嫌と言いにくい状況になってしまうのです。
これが、価値観をおしつけてしまう理由だと思います。
他にもいくつか理由がありますが、それはまた、後日にお話ししたいと思います。