中学受験と不登校(606)価値観を押し付けてしまう

価値観を押し付けてしまう

今日も私のブログにお越しいただきありがとうございます。

塾に通ってくれていた高校生の男の子のお話を前回していました。

この男の子は、中学受験大手進学塾で常に上位5位以内にいたというのです。

灘中も灘高も合格できると、大手進学塾の先生から言われても、その受験を拒否して、公立中学から国立大学の附属高校に進学してきた彼。

「やればできるけど、できることがわかれば、親や塾の先生に受験で口を出されるから、もう勉強はしない。」と固く決意するしかなかった、彼のわかってもらえない辛さは、他人には想像できません。

私も「わかる」とはとても言えませんでした。

いつも思うのですが、ご家族は、子どもが今、ここにいることを、どこかで当たり前のように思っているのではないでしょうか。

これだけ災害の多い我が国です。

毎年、災害で亡くなる方がいるのです。

大きな地震、台風、大雨と洪水、土砂災害。

こういうことが、日常的に起こる国、それが我が国なのです。

交通事故も多発しています。

生きていることは、本当に奇跡と言っていいと思えるくらい、いろいろなことが起こります。

子どもが今、自分の前で生きている、今ここにいる、このことが当たり前ではないのです。

ところが、子どもが勉強ができるとなると、途端に、勉強をさせようとするご家族がいかに多いことか。

スポーツだと、プロでやっていくのは簡単なことではないから、勉強もしておかないといけないと簡単に言うのに、勉強だと、他のこともやっておいた方がいいとは、言わないのが不思議なのです。

もっと勉強したら、もっと上にいける、ということばかり言うのです。

勉強ができる、灘中、灘高は行きたくて行きたくて、懸命に努力をしている子ども達がいます。

だからこそ、行けるなら行った方がいい、というのは、本当に子どものためになるとお考えですか?

その価値観を、お子さんと共有できていますか?

共有できていなければ、ただ、親の価値観を押し付けているだけではありませんか?

そのことをわかっていただきたいのです。

勉強ができても、できなくても、親の価値観を押し付けてはいけません。

灘中、灘高などの難関校に行って欲しいのであれば、行きたくなるように話をして、行ってみたいと思わせないといけません。

子どものためと言いながら、その学校に行って欲しいのは、ご家族であり、子どもはそんなことは望んでいないのであれば、それは、強制してはいけないのです。

それと同時に、自分たち親の価値観が、偏っている可能性があることも、自覚を持つ必要があります。

自分達の成功パターンが、子どもの喜ぶものではないことがあります。

それは後々になってわかるから、今、子どもは黙って親の言うことを聞いておいたらいいと、私に面と向かっておっしゃったお父様、お母様もいます。

そういうことが有るかもしれませんが、それは本人が考えることで、親が転ばぬ先の杖になってはいけないのです。

転んで起き上がってくることができると信じて、転ばせる、失敗をさせるのも、親の役割だと思います。

そのことを、わかっていただきたいと強く願います。

彼のことを思い出した時に、「勉強ができればできるほど、親は口を出してくる。」と言った彼の寂しそうな表情を一緒に思い出しました。

            

    
 

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